【韓国ドラマ】『偶然見つけたハル』漫画の世界を描いた青春ファンタジー！若手演技ドルとして大注目のロウン(SF9)主演ドラマをマニアが徹底解説！

2016年に男性アイドルグループSF9のメンバーとしてデビューし、翌年から俳優活動をスタートさせたロウン。

190cm近い身長に、驚くほど小さく端正な顔立ち。最強のビジュアルと共に、演技者としても成長著しく、目が離せない存在となっています。

そんなロウンの初主演ドラマ『偶然見つけたハル』は、漫画の中の世界を描き出すというファンタジーで、甘酸っぱい青春がギュギュッと詰まっています！

韓ドラマニアで韓国ドラマライターのJUMIJUMIさんに徹底解説してもらいましょう！

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あらすじ：舞台は漫画の世界！自我を持った脇役キャラクターがヒロインを目指して大奮闘！

お金持ちの一人娘ウン・ダノ(キム・へユン)は重い心臓病を抱えていますが、天真爛漫でいつも明るい高校2年生。

ダノが通うスリ高校にはA3(アメイジングスリー)と呼ばれる容姿端麗なイケメン男子3人組がいて、そのうちの1人であるペク・ギョン(イ・ジェウク)はダノの婚約者です。

A3から熱い視線を浴びるダノは「少女漫画のヒロインのような人生！」と毎日を満喫していましたが、ある時から突然記憶が途絶えたり、未来が見えてしまう異変が起き始めます…。

何かを知っている様子の学食料理人ミチェを問い詰めると、なんとこの世界は漫画の中で、自分たちは漫画に出てくるキャラクターだと言うのです！

さらに衝撃的な事実がもう1つ！ダノはヒロインではなく、ヒロインを引き立てる脇役の1人に過ぎませんでした…。

その漫画の中でダノは「心臓病の悪化で間もなく死んでしまう」という設定。それを知ったダノは、なんとかしてストーリーを変えようと決意！そのきっかけになりそうな、漫画の中には名前もないエキストラ男子生徒を見つけ出すと、ダノは「ハル」と名付けます。

ダノとハル(ロウン)の出会いで、少しずつ漫画のストーリーが変わり始め…!?

見どころ：イケメンだらけの青春ファンタジーにキュンキュンしっぱなし！

見どころ1：漫画の世界ってどういうこと？斬新な設定と世界観にのめり込む！

本作は少女漫画『秘密』の中の世界。作者が描き読者に読まれる部分「ステージ」と、それ以外の「シャドウ」で成り立っています。

ステージではキャラクターは作者が描く通りの決められたセリフを言い、決められた行動をするしかありません。一方シャドウでは自由に行動できますが、シャドウでの出来事はダノのように自我を持ったキャラクターだけが記憶していられます。

「ページをめくる音」をきっかけにステージとシャドウが切り替わり、その度にキャラクターも瞬間移動をするように次の場面に飛ばされていきます。

これまでの韓ドラファンタジー作品にはなかった斬新な設定と新しい世界観に、筆者はのめり込んでいきました！

そして「心臓病を抱えるお金持ちの一人娘」のようなキャラクター設定は、彼らにとって運命そのもの。ステージが始まった瞬間、例えば好きでもない人にも「好きだ」と言わなければならないのが彼らの運命なのです。

そういった葛藤が物語を大きく動かし、見ている私たちにも切なさやもどかしさを植え付けていきます…。

見どころ2：ロウンだけじゃない！イケメンがい過ぎて困っちゃいます！

漫画の世界だけあって、本作はイケメンパラダイスです！

まずは『秘密』の主人公でありA3のリーダー。世界的ファッション企業財閥2世のオ・ナムジュ。バイクに乗って颯爽と登場し、抜群な容姿と俺様な態度で女子生徒達を魅了しています。『秘密』のヒロインであるヨ・ジュダとは当然結ばれるはずですが…？

演じているのは今人気急上昇中の若手俳優キム・ヨンデ。『ペントハウス』シリーズへの出演で注目を浴び、2022年『流れ星』ではツンデレトップ俳優を演じ、多くのファンを獲得しました。

A3のスポーツマン、ダノの婚約者ペク・ギョンは、父親の思惑でダノとの婚約関係を仕方なく保っていました。母親を病気で亡くした心の傷があり、病弱なダノにも冷たく当たってしまいます。しかしダノとハルが出会い、仲を深めるのを見ているうちに…？

演じているのは『ドドソソラソ』や『還魂』への出演で、飛ぶ鳥を落とす勢いのイ・ジェウクです。

A3の癒し系、バイオリンを演奏する姿が優雅なイ・ドファはダノのように自我に目覚めてしまう1人。ヒロインのジュダに想いを寄せ、ジュダとナムジュが結ばれる当たり前の設定に苦悩し…。

ドファを演じたチョン・ゴンジュは『オー！マイベイビー』への出演で更に注目を浴び、2023年3月から放送された最新作『コッソンビ熱愛史』でも好演を見せました。

そして本作がドラマ初主演であるロウンが演じるのが、顔もまともに描かれていなかったエキストラのハルです。初めてしっかりと登場した瞬間には、息を飲むほどの圧倒的な輝きを放っていました！

エキストラらしくいつも隅にいて物静か。どこか寂しげだったハルが、ダノと共に設定を変えようと奮闘する中で、たくさんの感情を見せてくれるようになります。そんなハルの変化と共に、ロウンの魅力もどんどん溢れ出てきます！

ロウンは本作でMBC演技大賞の新人俳優賞に輝いています。

見どころ3：若手実力派キム・へユンの圧倒的な演技に夢中！

本作の冒頭は、ダノを演じるキム・へユンの一人芝居のような雰囲気で進んでいきますが、その見事な演技力でどんどん物語に引き込まれていきました。

設定とは関係ないシャドウでの自分、つまり「本当の自分」に気付き、強く逞しく突き進んでいく姿は好感度抜群！「天真爛漫」を絵に描いたようなダノの明るさは、見ている私たちに元気を与えてくれます。

ダノのストーリーに、ハッピーエンドは待っているのでしょうか？そしてダノとハルとギョン、ナムジュとドファとジュダの関係性はどうなっていくのでしょうか？

キム・へユンは『SKYキャッスル〜上流階級の妻たち〜』で一躍注目を浴びますが、高校1年から本格的に女優業をスタートさせ、ほとんど画面に映らないような役にもたくさん挑戦し現場経験を積んできました。その経験数から成せる演技力が本作でも見事に発揮されていると思います。

『君の声が聞こえる』『星から来たあなた』『ショッピング王ルイ』『青い海の伝説』『トッケビ』などの多数の人気作品に出演しているので、どんな役で出演しているのか探してみるのも面白いかもしれません！

『女神降臨』との深い繋がり、知っていますか？

『偶然見つけたハル』と『女神降臨』はどちらもキム・サンヒョプ監督の演出作品です。その縁から豪華すぎるカメオ出演が実現しました！

『偶然見つけたハル』で給食料理人ミチェを演じたイ・テリ、ドファを演じたチョン・ゴンジュ、オ・ナムジュを演じたキム・ヨンデ。そしてキム・へユンとイ・ジェウクはダノとギョンとして!?『女神降臨』にカメオ出演しているのです。

さらにどちらの作品でもメイン舞台の高校として主に使われているロケ地が、延世大学新村キャンパスです。
同じ風景やカメオ出演を探しながら見比べるのも楽しいのではないでしょうか？

感想：ただの胸キュン爽やか青春ファンタジーだと侮ってはいけませんでした！

「少女漫画のキャラクターが自我を持って動き出すとは!?」その設定からかなり意表をつかれましたが、さらにただ明るく楽しい青春ファンタジーでは終わらないところに良い意味で裏切られました。

「ダノとハルが主役の座を勝ち取って幸せになる？」という予想は覆され、彼らの前世(つまり前作)の記憶なども関わる意外にも複雑な展開に、どんどん目が離せなくなっていきました。

キム・へユンの演技からは貫禄すら感じました。ステージからシャドウに切り替わった瞬間は本当にスイッチを切ったように人格が変わり、そのギャップがあまりに潔くて爽快なほど！本作でMBC演技大賞の新人女優賞・水木ドラマ部門優秀女優賞の2冠を達成したのも納得です。

そして少女漫画らしい甘酸っぱい青春胸キュンがいっぱいなのも嬉しいところ！

キム・へユンを包み込んでしまいそうなほど身長が高いロウン。その身長差は約30cmです。高いところの物を取ってくれたり、転びそうなところを助けてくれたり、心臓が苦しく倒れたところをお姫様抱っこで運んでくれたり。終始完璧な王子様でした。

その一方で、自我に気付かせてくれたダノを一心に慕う従順な眼差しを見せるからたまりません。ロウンの「子犬っぽい可愛い魅力」を堪能できる作品とも言えますね。

『偶然見つけたハル』はどこで見られる？

■執筆／JUMIJUMIさん…韓国留学を機に韓国の文化に魅了される。年間30作品以上の韓国ドラマを視聴し、またライターとして情報発信も積極的に行う。ただ作品の内容を説明するだけでなく、食や生活様式など文化面から掘り下げた解説を得意としている。Instagramは「jumistyle99」。