電気料金の値上がりだけじゃない!2022年に心配される「需給ひっ迫警報」と「計画停電」とは?
2022/06/21
エアコンの季節になると、心配なのが電気料金。節約アドバイザーの丸山晴美さんは、「今年は電気料金の値上がりが続いているうえ、夏に“計画停電”が起こる可能性も!さらなる備えが必要です」と注意を促します。夏の電気料金はどうなるのか、計画停電の可能性とは何か、聞きました。
なお、今回ご紹介する情報はすべて2022年5月時点の取材情報を基にしています。
監修: 節約アドバイザー 丸山晴美
22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...
みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。
お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。でも経済に関するお金の情報は、ちょっとむずかしいですよね。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。
今回のテーマは「夏の電気料金&危機」!
2022年7月の電気料金は1年前より2,000円近くも高くなる!?
電気料金の値上がりが続いています。夏の電気代がどのくらいになるのか、心配になりますよね。
日本の電気料金は、燃料価格の変動に応じて変わる「燃料費調整制度」で計算されています。つまり、燃料価格が高くなると、それにあわせて電気料金も上がるということ。
東京電力エナジーパートナーが公式ホームページで公開している「燃料費調整のお知らせ」によると、2022年7月の電気料金は8,871円(平均モデル:従量電灯B・30A契約、使用電力量:260kWh、口座振替の場合)(※1)。
同じモデルの2022年6月より306円アップしており、1年前の7月と比べると、なんと2,000円近くも高くなっています。(※2)
平均モデルの「250kwh」は、電気使用料としては多くありません。4人家族ならもっと使っているケースがほとんどですから、この夏は電気代が大きく跳ね上がる家庭も出てきそうです。
燃料費高騰の原因は、コロナ禍で世界的に天然ガスが不足し、石炭や石油の需要が膨らんでいることと言われています。さらに日本はロシア産原油の輸入を原則禁止する方針も表明しているので、電気料金の値上がりは今後もしばらく続きそうです。
さらに心配なのは「電力の需給ひっ迫警報」が出ること!
電気料金の値上がりに加え、この夏さらに懸念されているのが、電力の「需給ひっ迫警報」です。需給ひっ迫警報は、東日本大震災と原発事故で電力需給がひっ迫したことから導入された制度で、今年の3月22日に初めて発令されました。
原因は、3月16日に発生した福島県沖地震によって、東京と東北エリアの火力発電所7基が停止したこと。そこに突然の寒波襲来が重なって、電力需給がひっ迫したのです。
幸いにも1日で解消し、大規模な停電には至りませんでしたが、一時は東京などを含む最大300万軒もの大規模停電が発生すると予想されました。
実は、このとき地震で停止した火力発電所は、まだすべてが復旧したわけではありません。そんな状況のところにエネルギー不足が加わり、さらに酷暑で多くの人が冷房をガンガン使ったら……再び需給ひっ迫警報が出てもおかしくありません。
万一警報が出たら、大規模な停電を防ぐため、エリア毎に時間帯を決めて電気を止める「計画停電」が行われる可能性もあります。
節電だけでなく、停電のための備えもしておこう
このような事態を防ぐには、まずは一人ひとりが節電を行うことが大切です。
例えば、日中はカーテンを閉めて太陽光をできるだけシャットアウトする、エアコンの温度設定は28度にして、扇風機を併用する、炊飯ジャーやポットなどの保温機能はなるべく使わないで、温水洗浄便座の電源は切るなど、基本的なことをしっかり行いましょう。
それが電気料金を抑えることにもつながります。そして、いざ計画停電になったときのために備えておくことも必要です。
LEDランタンや防災用の簡易トイレなどは、買い置きしておくと安心です。最近は停電ののときために、大容量のポータブル電源を常備する家庭も増えています。定額制レンタルもありますので、それを利用するのも良いでしょう。
私はモバイルバッテリーと、熱中症対策として、モバイルバッテリーで動くポータブル冷風機を購入しようと思っています。モバイルバッテリーは価格が手頃ですし、使える電子機器や家電が増えています。1つは用意しておくと安心でしょう。
また、停電になった時は冷蔵庫内の温度を維持するため、ドアの開閉をできるだけしないのが基本です。それに備えて、一人に1つ水筒を用意しておくのもおすすめ。
停電になったら水筒に水を入れて持ち歩けば、冷蔵庫を開ける回数が減りますし、節電対策にもなります。
その他、缶詰や温めなくても良いカレーなど、防災食の準備もしておきましょう。
今年の夏はいろいろな意味で「備え」が必要です。電気には限りがあり「シェアする」ことが大切という意識を、皆で持つようにしたいですね。
取材・文/かきの木のりみ