税金はスマホで払うとお得!?急速に増えつつある「スマホアプリ納税」ってなに?
2022/07/09
住民税や自動車税、固定資産税などの支払いに、スマホ決済アプリを導入する自治体が増えています。これまで一般的だった現金支払いや口座振替、クレジットカード払いなどと何が違い、どちらがお得なのか、節約アドバイザーの丸山晴美さんに聞きしました。
なお、今回ご紹介する情報はすべて2022年6月時点の取材情報を基にしています。
監修: 節約アドバイザー 丸山晴美
22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...
みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。
お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。でも経済に関するお金の情報は、ちょっとむずかしいですよね。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「スマホアプリ納税」!
「スマホアプリ納税」はほかの納税方法よりお得!?
これまでの主な納税方法というと、コンビニなどでの現金払い、口座振替、インターネットバンキングでの振込などでした。最近では「モバイルレジアプリ(請求書のバーコードをスマホカメラで読み取って支払いができるサービス)」を利用して、クレジットカード払いができるものも徐々に増えています。
ただ、クレジットカード払いは、自治体によって決済時に手数料が数百円程度かかってしまうことがあります。また、インターネットバンキングでの振込も、金融機関によっては手数料がかかります。
コンビニなどでの現金払いは手数料はかかりませんが、コンビニへ出向かなければいけないのがちょっと面倒。
口座振替は預貯金口座から納税資金が自動で引落とされるので手軽ですが、最初に専用サイトや窓口、郵送などで申し込みをするという手間がかかります。
こうしたなか、最近加速しているのがスマホ決済アプリで納税する「スマホアプリ納税」。スマホの操作だけでできるので、場所を選ばず、自分の都合のいいときにできるのが魅力。手数料もかからないなど、メリットは少なくありません。
ただ現在のところ、税金の種類や自治体によって対応が異なります。上手に活用するためのポイントを知っておきましょう。
自治体やアプリの種類で納税できるかどうか変わる
税金には大きく分けて、「国税(国に収める税金で所得税、法人税、相続税、贈与税など)」と「地方税(都道府県や市区町村に納めるに収める税金で住民税、事業税、固定資産税、地方消費税、自動車税など)」があります。
現在、スマホアプリ納税が進んでいるのは「地方税」です。ただ、先ほどお話ししたように、税金の種類や自治体によって対応が異なりますし、すべてのスマホ決済アプリが対応しているわけではありません。
今のところ、多くの自治体に対応しているのは「PayPay」と「LINE Pay」。「au PAY」なども対応自治体を増やしつつある状況です。
PayPayの公式サイトでは、支払いができる税金の一覧を見ることができます。下はその一部で、東京都の3つの区の例です。
・東京都港区/国保料、軽自動車税、住民税
・東京都新宿区/軽自動車税(種別割)、住民税(普通徴収)、介護保険料、国民健康保険料
・東京都墨田区/特別区民税・都民税、軽自動車税種別割、国民健康保険料、介護保険料、後期高齢者保険料
東京都のなかでも、区によってもこのように違いがあります。
まずは利用しているスマホアプリ、またはお住まいの自治体のホームページなどで、スマホアプリ納税が可能なのか、どの税金がどのアプリで支払えるのか、チェックしましょう。
PayPayとLINE Payで支払える税金については、下記を参照ください。
ポイントがつくかどうかもチェックを!
スマホアプリ納税をする場合、気になるのがポイント付与について。これも、スマホ決済アプリによって異なります。
PayPayは納税に「PayPay請求書払い」という機能を使いますが、2022年4月から「PayPay請求書払い」はポイントの付与対象外となりました。ただし、引き続きPayPayステップの対象ではあるので、金額などによってはポイント還元率が高くなる可能性があります。
LINE Payも、残高を使って納税する場合にはポイントは貯まりません。ただし、LINEクレカを支払い方法に設定し、チャージ&ペイでコード支払いを利用した場合、一律0.5%のLINEポイントが還元されます。
また、auPAYは納税でも通常どおり、200円の支払いにつき1ポイントのPontaポイントが還元されます。残高にチャージするときにクレジットカードを使えば、クレジットカードの決済ポイントも同時に貯めることが可能です。
スマホアプリ納税の手順と注意すべきポイント
納付の手順は、基本的にどのスマホ決済アプリも同じです。
アプリを立ち上げ、スマホのカメラで納付書のバーコードを読み取り、支払いを実行するだけ。とても手軽です。
ただし、最初にチャージする必要があるなど異なる部分もあるので、詳細は各アプリのサイトなどでご確認ください。
現在、口座振替で納税している場合、スマホアプリ納税に必要な納付書が送付されません。前もって金融機関の窓口、自治体の窓口、郵送などで、口座振替の停止手続きを行う必要があるので注意しましょう。
また、納付書を持ってコンビニに行って「PayPayで払います」と言ってもできませんので、その点も注意を。スマホアプリ納税は自分で納付書を読み取って支払う方法です。勘違いしやすい点なので、気をつけましょう。
今後は国税もスマホで!?メリットを上手に活用していこう
子育て世代は、育児に仕事にとてもいそがしいですから「つい納税期限がすぎちゃった!」なんていうミスも多くなりがち。すると納期限の翌日から払い込むまでの日数に応じた「延滞金」を支払うはめになってしまいます。
その点、家で好きな時間に納税できるスマホアプリ納税は、いそがしい人にこそメリット大。「納税しにコンビニ行ったら、ついスイーツを買っちゃった」なんていう「ついで買い」も防ぐことができ、一石二鳥です。
今後は国税もスマホアプリ納税が導入される予定で、ますますこの流れは加速していく見とおしですから、ぜひ上手に活用していきましょう。