お金の使い方で貯め力がわかる!?貯まる人が自然とやっている「いいお金の使い方」とは【節約の専門家が解説】
2023/11/28
収入が少ない、子どもが多くてお金がかかるなどで「貯めることができない」という悩みを多く聞きます。
でもその一方で、収入が少なくても子どもがたくさんいても、しっかり貯めている家庭もたくさんあります。その違いはなんなのでしょう?節約アドバイザーの丸山晴美さんに聞きしました。
なお、今回ご紹介する情報はすべて2023年10月時点の取材情報を基にしています。
監修: 節約アドバイザー 丸山晴美
22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...
みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。
お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「いいお金の使い方」!
貯まる人は「費用対効果」を見極めて出費している
これまで「貯め上手」と言われる人にたくさん会ってきましたが、そういう人にはある共通が見られます。それは、「費用対効果を見極めてお金を使える」ということです。
貯め上手な人はもちろん節約もしますが、お金をかける意味があると思ったことには出し惜しみしません。
その1つの例が、食器洗い乾燥機(食洗機)です。今は共働き世帯が多いので、食洗機を導入する家庭が増えています。
食洗機は決して安いものではありませんが、それを導入することで浮く「時間」や「手間」、節約できる「水道代」の方が大きいと考えているのです。
一方、フルタイムで仕事をしていてすごく忙しく、「食洗機があったら便利なんだけど」と言いながら、「貯めるために節約!」と考えて買わずにいる人もいます。
買わない方が費用対効果が高いと考えたのならいいのですが、検討もせずに、頭ごなしに贅沢品と決めつけて我慢をしているなら、それは「お金を出し惜しみ」しているだけ。「節約」ではなく「ケチ」と言えるでしょう。
お金を「どう使うか」を考えることが貯め力アップにつながる
お金とは、本来「使うため」にあるものです。それが人間関係を円滑にすることにつながることもよくありますし、自分の健康や夢に近づくために使うことも大きな意味があるでしょう。
実は私も将来役立つことを勉強しようと思い、20年前から通信制大学(放送大学)の教養学部教養学科に入学しています。その中の「心理と教育コース」を経て、認定心理士の資格も取得しました。
放送大学の教養学部には6つのコースがあるのですが、現在5コース目で、経済や福祉などの勉強をしています。コース全ての単位を取って、名誉学生になるのを目指しています。
今やった方が後々やるよりも安く済むということや、後にお金を産むことにつながると思えることなどは、費用対効果が大きいということ。それは「お得」なことだと私は思います。
ただなんとなくお金を使うのではなく、「使う意味はあるか」「どちらの方が効果が高いか」「費用対効果はあるか」を、普段から考える習慣をつけることが、上手にお金を貯め、使うことにもつながります。
贅沢とムダ使いの違いは「記憶に残るかどうか」
家計相談でよく「贅沢はダメですよね?」と聞かれるのですが、私はいつも「贅沢はいいんです。ダメなのはムダです」と答えています。
ムダとは何かというと、記憶に残らないような消費のこと。これが一番もったいないお金の使い方で、お金を使ったことさえ記憶にないので、何度も繰り返してしまうのです。
一方、贅沢をしたときは「楽しかった」「心地よかった」「美味しかった」など、記憶にしっかり残ります。ポジティブな記憶が残るということは、「価値があった」ということだと私は考えます。
貯めるという行為も、本来は目的や目標を実現するためにすること。貯めることそのものが目的ではないはずです。
貯めている人は、こうしたお金の意味や使い方をきちんと考え、実行できている人と言えるでしょう。
私たちが使っているお金は、自分や家族が働いて得たお金です。それをムダに使っては、極端な言い方をすると、働いている人を否定することにもつながります。
日頃はしっかりとムダを省いた節約をしながら、貯めたお金を家族の笑顔が増えたり、家族の将来に役立ったりする使い方をする。これがメリハリのある「いいお金の使い方」ではないでしょうか。
取材・文/かきの木のりみ