このご時世、お金を貯めている人みんながやっていることって?お金を増やす「ハイブリット型家計」を解説
2024/11/22
給料はなかなか上がらないのに、物価はどんどん上がる。節約しても、物価の上昇に追いつけない。こんなご時世にお金を貯めたり、ましてや増やしたりするのは無理!って、思いますよね。
でも、しっかり貯めて、ちゃっかり増やしている人もいるのです。そういう人たちは、必ずと言っていいほど投資をしています。
全国の主婦を取材して、お金に関する記事を数多く手がける村越克子さんが、お金を貯めている人と投資との関係を解説します。
節約だけではお金は貯まらない
スーパーに買い物に行って、いつもだいたい同じようなものを買っているのに、レジで請求される金額が多い…と感じることはありませんか?そう感じるのも無理はありません。物価が上がっているからです。食料品だけではなく、電気代、ガス代など、生活に欠かせない支出が値上がりしています。
日銀が行った「生活意識に関するアンケート調査」によると、1年前と比べて物価が上がっていると答えた人は94.7%。なかでも、支出が増えてものとしてもっとも多かったのが「食料品」(54.0%)で、次が洗剤や雑貨などの「日用品」(35.0%)となっています。
約95%の人が、物価上昇を感じている今、節約するだけではお金が貯まらないのが実情のようです。
貯金だけではお金は増えない
メガバンク3社の定期預金金利は0.125%(※)。つまり、100万円を1年間預けて約996円(税引き後)増えるということです。金利は上がる傾向にあると言われていますが、それでも、残念ながらこの程度なのが実情。
節約をがんばって支出を減らして、浮いたお金を貯金しても、貯金した金額分は貯まりますが利息がついて「増える」のはなかなかむずかしいようです。
※2024年10月現在の1年ものの定期預金金利
お金を増やす家計は、節約+投資のハイブリッド型
「節約+貯金」でお金を増やすのはむずかしいですが、「節約+投資」なら、増える期待が持てそうです。
たとえば、1万円節約してそれを貯金しても、利息がつくことをあまり期待できない今は、預金残高はほぼ1万円のままですが、1万円を投資に回せば増える可能性があります。
もちろん、投資に元本保証はありません。増える可能性があるということは、減る可能性もあるということです。元本保証だけどほとんど増えない貯金と、元本保証はないけれど増える可能性がある投資…どちらを選択するかということです。
投資のハードルをグンと下げる「NISA」
これまで投資の経験がなかった人にむけて、投資を身近なものにしたのが「NISA(少額投資非課税制度)」です。その名のとおり、少額の投資なら投資で得た利益が非課税になるというもの。通常、投資の利益からは約2割の税金が引かれ、手元に残るのは約8割。でも「NISA」を利用すれば、利益から税金が引かれないので、儲かった分を全額手にすることができます。
また、「NISA」の「つみたて投資枠」を利用して、投資信託という金融商品を毎月決まった金額分ずつ買うという「積立投資」を長く続けることで、結果的に元本割れする可能性が小さくなる傾向があります。短期間で儲かる投資ではなく、時間をかけてお金を育てる投資ということです。
まとめ
物価高、低金利の今、節約して貯金するだけでは、なかなかお金は増えません。元本保証の貯金で確保するお金と、「NISA」を活用した長期投資で時間をかけて増やすお金の2本立てで備えることが大事かもしれません。
■執筆/村越克子さん
『サンキュ!』を中心に雑誌・ムック・webなどで全国の主婦を取材し、家計のやりくりなどお金に関する記事を数多く手がける。『貯められない人の家計管理』(朝日新聞出版)の編集・執筆など。FP1級技能士。