家電が最もおトクに買えるのはいつ? 買い替えのベストなタイミングとコツを節約の専門家が解説

2025/08/30

洗濯機や冷蔵庫、テレビといった大型家電の多くは、10万円以上はする高額なもの。壊れて買い替える時は、少しでも安くおトクに購入したいですよね。そこで、家電が最もおトクに安く買えるタイミングと、購入時に気をつけるべき点などを節約アドバイザーの丸山晴美さんにお聞きしました。

なお、今回ご紹介する情報はすべて2025年8月時点の取材情報を基にしています。

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...

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みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。

お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「家電買い替えの最適時期」!

家電がおトクになるタイミングは年に4回!

家電は一般的に、購入から10年後くらいが買い替えの目安です。その理由は、主に修理用部品の有無です。

家電メーカーには、家電の製造を終了した後も一定期間は修理用の部品を保有しておく、というルールがあります。例えば、電気冷蔵庫やエアコンは9年、カラーテレビや電子レンジは8年、電気洗濯機や電気掃除機は6年など(※)。
この期間を超えると修理に必要な部品が手に入りにくくなるので、買い替えの目安とされています。

家電をおトクに買い替えられるタイミングは、主に年に4回ほど。以下の時期があります。

年末年始

年末年始は家電の福袋が販売されます。福袋の場合、機種やメーカーは選べないことが多いですが、数種類の家電や周辺機器がセットで販売されることで割安になり、おトクに買うことができます。

3月と9月

多くの家電量販店は3月が総決算期、9月が半期決算期です。これらの時期は、どの店舗も在庫を減らして売り上げを伸ばそうと考えるため、大きなバーゲンやセールが開催されます。

5〜8月(黒物家電)

テレビやオーディオ機器などの「黒物家電」は、7月前後に新製品が出ます。そのため、その前後である5〜8月は、黒物家電の現行品が型落ち品になり、安く買うことができます。

9〜10月(白物家電)

洗濯機や冷蔵庫などの「白物家電」の新製品は、12月の年末商戦を意識して、10月ごろに発売が始まります。そのため、9〜10月は現行の白物家電が型落ちになって安くなります。

白物か黒物かで買い方は変わる

上の4つのタイミングの中で、私が家電の買い替えに最もおすすめするのは9月です。
9月は半期決算期と白物家電の型落ちが重なるタイミング。他の時期よりも割安になる機種が幅広かったり、割引率が高くなったりして、よりおトクになりやすいのです。

9月がおすすめの理由はもう1つあります。それは、品質の安定度です。

新商品が発売されたばかりの時は、故障やエラーなどの不具合が比較的出やすく、その後、改良されていくのが一般的です。つまり、型落ちになるタイミングの製品は、エラーなどが改良されて機能が安定した製品と推測されます。

そのため、9月は安定した製品を安くおトクに買えるタイミングというわけです。

ただし、黒物家電の型落ち品は、9月頃にはアウトレットなどへ移され、一般の売り場には無くなっていることが少なくありません。黒物家電を5〜8月以外のタイミングで買う場合は、アウトレットや、中古品を修理して手頃な価格で販売するリファービッシュ品などもチェックしてみることをおすすめします。

また、同じ黒物家電でも、テレビやモニターの液晶パネルは、長時間の使用で液晶が劣化していきます。展示している最中、点けっぱなしであった可能性があるアウトレット品などの場合、新品に比べるとモニターの劣化が進みやすく、寿命が短くなる傾向にありますので注意が必要です。

指定価格制度の商品もチェックしよう

一方、9月に買う際には注意すべき点もあります。それは、指定価格制度の商品かどうかを確認することです。

指定価格制度とは、メーカーが販売価格を指定し、小売店が自由に値引き販売できない商品のこと。パナソニックや日立が導入していて、これらのメーカーの製品は家電量販店でも割引や価格交渉、ポイントの付与ができません。

とはいえ、ずっと同じ値段で販売されているかというと、そういうわけでもなく、メーカー側が価格を見直すことがあります。9月などの商品の入れ替えタイミングは、そうした価格の見直しがよくあるので、チェックするようにしましょう。

また、高額な家電は、故障した場合の修理費用も高額になりがちです。購入する際には、保証期間をできるだけ長くすることを忘れずに。家電量販店が独自に「10年保証」などの延長保証を設定している場合には、保険に入るつもりで加入しておくと安心でしょう。

買い替え時期が近づいたら家電積立を始めるべし

実は私自身、今年の正月に洗濯機が壊れました。洗濯機は2万円程度の修理で済んだものの、今度はオーブン機能付き電子レンジと掃除機が壊れ、どれも生活必需品なのですぐに買い替えましたが、合計で数十万という大きな出費になりました。

でも、以前から家電の買い換えにも使える積立貯蓄をしていたので、生活費などに影響することなく、すぐにほしい機種の家電を買うことができました。

このように、高額な家電の買い替え時期が近づいたら、そのための積立貯金をしておくと安心です。毎月1万円でも2万円でもいいので、積み立てておきましょう。近所の金券ショップで家電量販店の商品券を安く売っているようなら、都度、積み立て感覚で購入する方法もおすすめです。

また、自治体によっては、省エネ家電に買い換えることで補助金が出るケースもあります。そういうものも利用しつつ、タイミングを見計らって少しでもお得に上手に家電の買い替えをしましょう。

教えてくれたのは・・・

丸山晴美さん

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て2001年、節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザーなどの資格を取得。身の回りの節約術やライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどを、テレビやラジオ、雑誌、講演などで行なっている。著書は「シングルママの『お金に困らない』本」(徳間書店)、「50代から知っておきたい!年金生活の不安、解消します」(共著)(幻冬舎)、「お金を活かす ハッピーエンディングノート」(東京新聞)「節約家計ノート2024」(東京新聞)steady.特別編集「知識ゼロでもまるっとわかるお金の基本」(宝島社)など多数。

取材・文/かきの木のりみ

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