【管理栄養士監修】気になる「鯖缶」のカロリーや炭水化物量とは?食べる際に押さえるべきポイントを紹介
2023/01/07
この記事では「鯖缶」のカロリーについて解説していきます。また、ダイエット中などでカロリーが気になるときに取り入れたい食べ方についてご紹介します。
なお、文中のカロリー値は文末に載せた参考データを元にしています(一部、参考データを元に独自計算をしている場合もあります)。
鯖缶を食べると太りやすい?
鯖缶はカロリーがそれなりにある食材ですが、食べ方に気をつければ太る心配はありません。むしろ、含まれている栄養素によって骨を丈夫にする効果や肌を整える効果などが期待でき、ダイエット中の方や健康を気遣う方に積極的に取り入れてほしい食べ物といえるでしょう。
では、具体的にどういった栄養素があり、どのようなことに気をつけて食べると良いのでしょうか。ここでは鯖缶のカロリー、炭水化物量、期待できる効果、食べる際のポイントについて詳しく解説します。
鯖缶1食分のカロリー
スーパーなどで手軽に買うことのできる鯖缶ですが、どれくらいのカロリーがあるか知らない方もいるでしょう。
鯖缶のカロリーは、味付けによって異なります。よく見かけるさっぱりとした水煮と、濃厚な味噌煮の2種類について紹介するので、参考にしてください。
鯖缶(水煮)のカロリー
水煮タイプの鯖缶(1缶)200gのカロリーは、380kcalです。これは、塩水でサバを煮て缶詰にした鯖缶のカロリーで、煮汁は含みません。
この1缶のカロリーは、同じ量の焼き鯖の切り身332kcalよりも高くなっています。そのため、1度に食べる量に気を付け、食事全体のバランスを整えるようにするといいでしょう。
鯖缶(味噌煮)のカロリー
味噌煮タイプの鯖缶1缶(200g)のカロリーは、434kcalです。これは下処理が施されたサバに味噌などの調味料を加えて缶詰にした鯖缶のカロリーとなります。調味料が増えた分、水煮タイプよりカロリーは高めです。
他にも、醤油やみりんで味付けされたタイプの鯖缶もあります。こちらは1缶(200g)で430kcalとなっており、水煮タイプより高カロリーで味噌煮タイプよりもやや低カロリーになっています。
鯖缶の炭水化物量は?
1缶(200g)の炭水化物量を比べると、水煮タイプの鯖缶は0.4g、味噌煮タイプの鯖缶は13.2gです。シンプルな味付けの水煮タイプの方が炭水化物量が少なくなっています。
同じ量に含まれるタンパク質や脂質を見てみましょう。水煮タイプのタンパク質は41.8g、脂質は21.4gに対し、味噌タイプのタンパク質は32.6g、脂質は27.8gとなっています。シンプルな水煮の方が高タンパク質で低脂質であることがわかります。
味噌タイプよりも水煮タイプの鯖缶の方が炭水化物量と脂質が少なく、タンパク質は多いため、炭水化物量を気にしていたりダイエット中の方は水煮タイプを選ぶとよいでしょう。
鯖缶を食べることで期待できる効果
ここからは、鯖缶を食べることで期待できる効果について解説していきましょう。鯖缶に含まれている栄養素には、健康に役立つさまざまな効果が期待できます。カロリーや炭水化物量だけを見るのではなく、栄養素やその効果についても理解して積極的に取り入れてみましょう。
サバの栄養素を効率よく摂取できる
鯖缶は密閉されているため、サバに含まれている栄養素を酸化させずに摂取できるメリットがあります。
後述しますが、鯖缶には魅力的な栄養素が含まれています。しかし、栄養素によっては空気に触れると酸化し、本来の効果が弱まってしまうことがあります。鯖缶は空気を抜いて煮汁ごと密封されて缶詰にされるため、栄養素を効率よく摂取することができるでしょう。
骨を丈夫にする
鯖缶はやわらかくしたサバの骨ごと食べることができます。サバの骨には多くのカルシウムが含まれており、食べることでわたしたちの骨を丈夫にする効果が期待できます。
カルシウムは、骨や歯を形成する栄養素です。とくに成長期にはカルシウムの必要量が増え、50代以上の男性や閉経後の女性は骨量が減少しやすくなります。健康な骨を維持するために、生涯を通じて積極的なカルシウムの摂取を心がけるようにしましょう。
髪や肌を整える
鯖缶にはビタミンB2が多く含まれており、髪や肌を整える効果が期待できます。
ビタミンB2は、発育促進において重要な役割を果たす栄養素です。とくに、脂質の代謝を助けて、髪、皮膚、粘膜、爪などの細胞の再生に役立ちます。
脂質を分解してエネルギーにすることから、健康に気を遣っている方やダイエット中の方はとくに不足しないようにしましょう。
免疫力を高める
鯖缶にはビタミンDが多く含まれており、免疫力を高める効果が期待できます。
ビタミンDは、カルシウムの吸収や骨の成長を促進したり、免疫力を高める働きがある栄養素です。ウイルスや細菌に対して殺菌作用を持つ抗菌ペプチドを体内でつくり、免疫機能を促進します。風邪や気管支炎などの感染症の発症・悪化の予防に役立つといわれています。
健康維持のためにも、積極的に取り入れることをおすすめします。
血液の流れを良くする
鯖缶に含まれるEPAにより、血液の流れを良くする効果をが期待できます。
EPA(エイコサペンタエン酸)は必須脂肪酸の一種で、血液凝固の抑制や血液中の中性脂肪を減少させる働きがあり、血液の流れの改善に役立ちます。また、コレステロールも調整してくれるため、高血圧や動脈硬化といった生活習慣病の予防効果も期待できます。
脳の働きを保つ
鯖缶に含まれるDHAによって、脳の働きを保つ効果が期待できます。
DHA(ドコサヘキサエン酸)も必須脂肪酸の一種です。脳などに多く存在し、記憶力や計算能力の強化を助けるのに役立つといわれています。EPAとともに、いくつになっても若々しく過ごすために必要な栄養素です。
鯖缶を食べるときのポイント
鯖缶は、栄養たっぷりで魅力的な食材ですが、食べ方や調理方法について知ることで、自分の体に合った食べ方が可能となります。ここからは、鯖缶を食べる際に押さえておくべきポイントについて解説していきましょう。
味付けに注意する
鯖缶を食卓に追加する際は、味付けに注意しましょう。
まず、カロリーや塩分が気になる方は、味噌煮タイプよりも水煮タイプを選ぶのがおすすめです。水煮タイプの方が低カロリーなだけでなく、塩分も少なくなっています。1缶(200g)に含まれている塩分量を比べると、水煮は1.8g、鯖味噌煮缶は2.2gです。
そのため、調味料を加えて調理する場合は量を加減するようにしましょう。とくに、味噌煮タイプはしっかりと味付けされているため、塩分を含んだ調味料はできるだけ追加しないことをおすすめします。
汁まで食べる
鯖缶の汁にも栄養素が含まれているため、汁ごと食べるようにしましょう。
ビタミンB2などの水に溶けやすい栄養素は、いくらか鯖缶の汁に溶け出しています。サバのうま味も汁に溶け込んでいるため、煮物や炒め物などの料理に汁ごと使うことをおすすめします。ただし、塩分のとり過ぎが気になる場合は使う量を調整してください。
また、汁に含まれる生臭さが苦手な場合は、生姜や酒などを加えることで食べやすくすることができるでしょう。
食べ過ぎないようにする
鯖缶1缶を1食で食べると高カロリーな食事になりやすいため、1度に食べ過ぎないように注意しましょう。
1日に必要とされるエネルギー量は、活動量が少ない成人男性で2,000~2,400kcal、活動量が少ない成人女性で1,400~2,000kcal程です。つまり、3食で割ると1食あたりは約470〜800kcalに相当します。
水煮タイプの鯖缶(1缶)のカロリーは380kcalであるため、1缶を1回で食べると1食あたりのカロリーの大半を摂取することになります。そこに主食、副菜、汁物などを追加するとカロリーが高くなりすぎやすいため、1缶を家族で分けたり2~3食に分けて少しずつ食べるなどの工夫を取り入れましょう。
鯖缶のカロリーや炭水化物量について知り、食べ方を工夫しよう!
鯖缶を食事に取り入れる際は、カロリーや炭水化物量だけでなく、期待できる効果を知っておくこともポイントです。
鯖缶に含まれている栄養素には、骨を丈夫にする、髪や肌を整える、免疫力を高める、血液の流れを良くする、記憶力を高める効果などが期待できます。また、鯖缶は酸化しにくく加工されているため、これらの栄養素を効率的に摂取することができるのです。
ただし、1缶あたりのカロリーはそれなりにあるため、食べ方には気をつけましょう。
鯖缶のカロリー、炭水化物量、期待できる効果を理解して、毎日の食事に上手に取り入れてみましょう。