「天ぷら粉」がないときに代用できる調味料を検証!おすすめの組み合わせも紹介【管理栄養士が解説】

2022/05/07

レシピをチェックしていざ料理をつくろうとしたところ、必要な調味料が切れていた……なんてこと、だれしも一度は経験があるでしょう。でもその調味料、もしかしたら代用できるかもしれません!

今回ご紹介するのは「天ぷら粉」の代用アイデア。

管理栄養士と食生活アドバイザーの資格を持つライターのゆかりさんに、てんぷら粉の代用アイデアをレシピつきで紹介してもらいます。

管理栄養士、食生活アドバイザー。一女のママで出張料理、料理教室、講演、栄養相談も手掛けるほか、ライターとして...

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「天ぷら粉」の原材料は?

一般的な市販の天ぷら粉は

・小麦粉(薄力粉)
・でんぷん
・乾燥卵
・膨張剤(ベーキングパウダー、重曹など)

などが原材料となっています。商品によってはこれに加えて

・乳化剤
・着色料(カロチノイド、クチナシなど)

などが使われることもあります。この天ぷら粉に水を加えて混ぜ合わせることで、天ぷらの衣ができあがります。

卵を加えることで衣の具材へのからみをよくしたり、膨張剤を加えることで気泡を発生させてふんわりとした衣のボリュームがつくられていると考えられます。
また、乳化剤は水を加えた際に粉類を溶けやすくしたり、着色料は仕上がりの色をよくして食欲をそそる見た目にすることに役立っていると考えられます。

天ぷら粉の代用になる調味料は?

代用天ぷら粉をつくるための食材の組み合わせは、いくつか考えられます。

今回、代用レシピのために筆者が用意したものは以下のとおり。膨張剤に関しては、ベーキングパウダーと重曹はほぼ同じ成分となっているため前者だけを用意しました。

■ベース
・薄力粉
・米粉
・きな粉
・パン粉

■つなぎ
・卵
・マヨネーズ

■膨張剤
・ベーキングパウダー

■でんぷん
・片栗粉
・コーンスターチ

これらの中から、それぞれ組み合わせて代用てんぷら粉をつくってみることにしました。

8通りの組み合わせで代用天ぷら粉を考案

ここでは、ベースやつなぎなどの組み合わせを変え、8通りの組み合わせを厳選しました。

括弧内は、実際につくった際の分量(g)となっています。ベースは基本的に大さじ1杯分としましたが、パン粉のみ大さじ2杯分をミキサーで粉砕後のものがちょうど大さじ1杯分に相当しています。

【1】薄力粉:卵:ベーキングパウダー:片栗粉:水(9:6:1.5:1:10)

【2】米粉:卵:ベーキングパウダー:片栗粉:水(9:6:1.5:1:10)

【3】きな粉:卵:ベーキングパウダー:片栗粉:水(7:6:1.5:1:10)

【4】パン粉:卵:ベーキングパウダー:片栗粉:水(7:6:1.5:1:10)

【5】薄力粉:マヨネーズ:水(9:6:10)

【6】薄力粉:卵:水(9:6:10)

【7】薄力粉:卵:炭酸水(9:6:10)

【8】薄力粉:卵:ベーキングパウダー:コーンスターチ:水(9:6:1.5:1:10)

【1】~【4】はベースの種類、【5】はつなぎの種類、【6】はシンプルな組み合わせ、【7】は【6】との比較、【8】はでんぷんの種類について、それぞれ検証してみました。

つくり方は、揚げる直前にすべてを合わせて加えて軽く混ぜ、具材にからめて180℃の油で表面がカリッとするまで揚げました。油を切り、温かいうちに塩を少々つけて食べ比べました。

代用天ぷら粉の調理時のポイント

・混ぜすぎない
薄力粉はかき混ぜ過ぎるとグルテンという、粘りが生まれます。これにより、サクッとした軽い仕上がりにならなくなるため、薄力粉を使用したものはダマが少し残るくらいの混ぜ加減に抑えています。

・揚げる直前に液体の材料を混ぜ合せる
卵や水などの液体加える場合、薄力粉と合わせてから時間が経過するとグルテンがつくられやすくなります。そのため、混ぜてすぐに具材をからめて揚げるようにしています。

・冷水を使う
薄力粉を含む場合、材料を混ぜ合わせてから温度が高いとグルテンがつくられすくなります。それを防ぐために、衣に使う水は冷やした水や氷水を使っています。

・一度に多く揚げない
揚げ油の中に多くの材料を入れてしまうと、油の温度が下がりやすくなります。適温よりも低い温度で揚げると、べチャッとした仕上がりになります。一度に入れる目安は、油の表面積の半分くらいまでとしています。

代用天ぷら粉が完成!

完成した代用天ぷら粉(+水など)を並べてみました。画像上段左から順に【1】【2】【3】【4】、下段左から【5】【6】【7】【8】となっています。

それらを揚げたものが、こちらです。

色の違い、衣をつけたとき、食べたときの違いなどは次のとおりです。

焦げにくかったものは【1】【2】【6】【7】【8】

薄力粉+卵を組み合わせた【1】【2】【6】【7】【8】が、揚げたときに一般的な天ぷらのような淡黄色に仕上がりました。

逆に、ほかと同じくらいの揚げ時間でも焦げたような茶色に仕上がったきな粉については、タンパク質が多かったり元の色が濃いことが原因と考えられます。また、同様の仕上がりとなったパン粉については、加熱済みの小麦粉であったりほかの原材料が含まれていることが原因かもしれません。

マヨネーズについては、1度目にほかよりも短い揚げ時間で濃い色となりましたが、注意して早めに裏返すことで焦げにくくすることはできました。(画像は2度目のもの)

衣をからめやすかったものは【3】

いずれも混ぜてすぐ具材をからめた場合、つきにくいことはありませんでした。ただし、時間が経つと、【2】【4】のからみが非常に悪くなりました。

粉末の粒子や吸収性などの違いと思われますが、きな粉を含む【3】は液体を加えるとすぐに混ざり合い、粘度の濃い状態となりました。それによって、具材へのからみがいちばんよかったと考えられます。

食感がよかったものは【1】【2】【5】

実際に食べてみると、一般的な天ぷらに近いサクサク感があったのは【1】【2】、カリッとした歯応えを感じたのは【1】【5】という結果でした。

【1】については、てんぷら粉に含まれている原材料に近いことが理由と考えられます。サクッとした【2】は、どちらかというとフワッとした軽い食感を感じたので、米粉の油切れのよさがわずかに違いとなって感じられたのだと思います。

【5】については、【1】よりも強くカリッと感がありました。マヨネーズ自体にも卵が含まれることと、マヨネーズの原材料である酢を加えることでも、グルテンの形成を抑えてカリッとさせる効果があることが理由と思われます。

代用天ぷら粉の結論

以上のことから、おすすめできる代用天ぷら粉の組み合わせは、

【1】薄力粉:卵:ベーキングパウダー:片栗粉:水
【2】米粉:卵:ベーキングパウダー:片栗粉:水
【5】薄力粉:マヨネーズ:水

ということができます。焦がさずにつくりたい場合は【1】【2】、慎重に揚げる余裕があるのであれば【5】をおすすめします。

この検証では、膨張剤やでんぷんなしでもおいしく天ぷらをつくることができるということがわかりました。

レシピご利用時の注意点

なお、今回の分量では水の分量を一般的な比率よりもやや多めにしています。水分が多くゆるい衣を使う場合、具材へのからみが抑えられるので油っぽさを抑えた仕上がりにすることが期待できます。

ただし、カリっとした食感をしっかりと味わいたい場合は、分量よりも水を少し減らすことで、具材への衣のからみがよくなることが期待できるでしょう。マヨネーズについても、メーカー推奨の比率よりも多いために焦げやすかったことが考えられるので、使用する際はここでのレシピの分量よりも減らすことで失敗を減らすことができるかもしれません。

代用天ぷら粉の楽しみ方は?

今回の検証で余った代用天ぷら粉。天ぷらばかり食べるのは、さずがに……ということで、チヂミやパンケーキの材料として利用してみました。どちらの料理も、てんぷら粉そのものの原材料に近いため、うま味や甘味を加えてそれらの生地として使うことができるのです。

そのほか、同じように薄力粉を使ってつくるクッキー、ドーナツ、ケーキや、たこ焼き、お好み焼きなどにも向いています。


なお、卵を使って代用天ぷら粉とする場合、割ってからしばらく置いておいたものは食中毒予防の観点から、余った代用場合はその日のうちに使い切ってしまうようにしてください。

使い道の多い代用天ぷら粉で、サクサクの天ぷらをつくってみてはいかがでしょうか。

■執筆/監修・・・

管理栄養士・ゆかりさん

管理栄養士、食生活アドバイザー。一女のママで出張料理、料理教室、講演、栄養相談も手掛けるほか、ライターとしても活動。

参考にしたサイト

 
 

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