【管理栄養士監修】「ラディッシュ」の主な栄養素とカロリーまとめ!おすすめの調理方法は?
2021/01/08
ラディッシュは、色鮮やかで小さな野菜です。ひとくちで食べられるほどのミニサイズのラディッシュですが、じつは、多くの栄養素を含んでいます。この記事では、ラディッシュの主な栄養素とカロリーをしっかり解説するほか、おすすめの調理法も紹介します。
ラディッシュの種類
ラディッシュは、二十日(はつか)大根とも呼ばれるアブラナ科の野菜です。主流となっている赤くて丸い見た目のものはカブにそっくりですが、じつは大根の仲間です。
日本では二十日大根を始め、主に小さい品種を総称してラディッシュと呼んでいます。
ラディッシュの仲間には、赤く丸いものだけではなく、細長い形をしたものや白いミニ大根のようなものもあります。根の部分はもちろん、葉まで食べられるため、丸ごと食せるのが魅力的な野菜です。
ラディッシュのカロリーと栄養素
ラディッシュの根のカロリーは、100gあたり15kcalです。カリウム、カルシウム、マグネシウム、葉酸、ビタミンC、食物繊維などが含まれています。
また、ラディッシュの葉にはβ-カロテンも含まれ、ほかの栄養素も根より多く含んでいます。β-カロテンは、緑黄色野菜に多く含まれている栄養素で、抗酸化作用や免疫の増強に関わり、必要に応じて体内でビタミンAへ変換されて目や肌の健康を維持する働きがあります。
ラディッシュの栄養素
・カリウム
・カルシウム
・ビタミンC
・マグネシウム
・食物繊維
ラディッシュの栄養素1:カリウム
カリウムは、体内の細胞内液に多く存在するミネラルです。ラディッシュの根100g当たりに、220mg含まれています。
細胞外液のナトリウムとバランスを取ることで、細胞の浸透圧を維持したり、血圧を調整する働きがあり、つねに一定したよい状態に保っています。
日本人の食事摂取基準の目安量は、18歳以上の男性は1日2,500mg、女性は1日2,000mgとされています。
ラディッシュの栄養素2:カルシウム
カルシウムは、骨や歯の主要な構成成分で、健康な体づくりには欠かせないミネラルです。ラディッシュの根100gに、21mg含まれています。
体内にあるカルシウムは、99%が骨や歯など、残り1%は血液や筋肉、神経などに存在しています。カルシウムは、血液凝固作用や筋肉運動、神経の働きなどにも関わっています。
日本人の食事摂取基準の推奨量は、18~29歳の男性は800mg、30~74歳の男性は750mg、75歳以上の男性は700mg、18~74歳の女性は650mg、75歳以上の女性は600mgです。
ラディッシュの栄養素3:ビタミンC
ビタミンCは、抗酸化作用があり、活性酸素の害から細胞を守って老化を防いでくれるビタミンです。ラディッシュの根100gに、19mg含まれています。
ビタミンCは、皮膚や粘膜の健康維持に役立つほか、ストレスや風邪などの病気に対する抵抗力を強める働きがあります。
日本人の食事摂取基準の推奨量は、成人男女とも1日100mgです。ヒトはビタミンCを体内でつくることができないため、食事から摂取する必要があります。
ラディッシュの栄養素4:マグネシウム
マグネシウムは、カルシウムやリンとともに歯や骨をつくるミネラルです。マグネシウムの約50%は骨に貯蔵されており、そのほかは神経の興奮を抑えたり、エネルギーをつくる助けや血圧の維持に関わっています。ラディッシュの根100gに、11mg含まれています。
日本人の食事摂取基準の推奨量は、18~29歳の男性は340mg、30~64歳の男性は370mg、65~74歳の男性は350mg、75歳以上の男性は320mgで、18~29歳の女性は270mg、30~64歳の女性は290mg、65~74歳の女性は280mg、75歳以上の女性は260mgです。
ラディッシュの栄養素5:食物繊維
食物繊維は、腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整えてくれる栄養素です。食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があります。これらはそれぞれ効果が異なっていて、バランスよく摂取することで、効果的に働くとされています。
ラディッシュの根100gに、1.2g含まれており、そのうち水溶性食物繊維は0.2g、不溶性食物繊維は1.0gです。
また、食物繊維は消化されないためエネルギー源にはなりませんが、便の量を増やすことで便秘を防ぐほか、心筋梗塞、糖尿病、肥満などの生活習慣病の予防効果が期待できます。
ラディッシュはダイエットに効果がある?
ラディッシュに含まれるいくつかの栄養素は、ダイエットに効果的だと言われています。今までに紹介したラディッシュの根の栄養素のほか、緑黄色野菜に分類されるラディッシュの葉も含め、ラディッシュのダイエット効果について紹介します。
まずは、「食物繊維」です。食物繊維は、腸内環境を整えて便秘や肌荒れを解消してくれる、ダイエットの強い味方です。また、食物繊維を含む食材は、食べるためによく噛まなければならないものが多いため、満腹感を高めて食べすぎを防ぐという意味でもダイエットに役立ちます。
次に、「ビタミンC」です。美肌づくりに欠かせないビタミンCは、肌荒れ予防のほか、免疫力向上にも役立ちます。
そして、「ジアスターゼ」です。ジアスターゼは、でんぷんの分解・消化を促す酵素で、胃酸過多や胃もたれなどを防いでくれます。酵素は熱に弱いため、生食が効果的です。
このような成分が含まれることからも、ラディッシュはダイエットをサポートとする食材としておすすめです。
ラディッシュを使ったおすすめのレシピ
ひとくちサイズのラディッシュは、そのままサラダに使う食べ方以外にも、いろいろな料理に活用することができる野菜です。
ここでは、ラディッシュを使ったおすすめレシピを3つ紹介します。日々の食卓に、ラディッシュのメニューを登場させてみましょう。
ラディッシュのおすすめレシピ1:箸休めやお弁当おかずに。ラディッシュの甘酢漬け
色鮮やかなラディッシュをざっくり切って、甘酢に漬けておくだけの簡単レシピです。
酢漬けは日持ちする料理なので、つくり置きのおかずとしても役立ちます。お弁当に入れたり、ワンプレートに添えると、鮮やかな彩りが映えるでしょう。
ラディッシュのおすすめレシピ2:ラディッシュとツナの冷製パスタ
見た目も華やかで、あっさり食べられる冷製パスタです。
ラディッシュに含まれる「ジアスターゼ」が、パスタに多く含まれるでんぷんを分解・消化しやすくしてくれるので、食欲が落ちやすい夏にもおすすめです。ひんやり涼しげな冷製パスタは、ふだんの食卓の1品としてはもちろん、おもてなしにも使えて便利なレシピです。
ラディッシュのおすすめレシピ3:ラディッシュのアンチョビ炒め
副菜やおつまみにぴったりの、塩気のきいた1品です。
赤いラディッシュと大根を彩りよく組み合わせ、アンチョビとニンニクの香りが食欲をそそる仕上がりになっています。調味料がいらないので、料理が苦手な人でも簡単につくることができます。
ラディッシュをおいしく食べよう!
ラディッシュは、小さいながらも多くの栄養素を含んだ魅力的な野菜です。
また、色鮮やかでころんとした愛らしい見た目は、食卓をおしゃれにしてくれる存在です。根から葉まで丸ごと食べられる特徴を活かして、さまざまな料理に活用しましょう。
監修者ミニコラム:ラディッシュにはこんな食べ方も!辛くても食べやすくする方法とは?
ラディッシュ=小さい大根なので、大根と同じようにサラダや煮物、炒め物など、どんな料理にも使うことができます。
そんな万能なラディッシュですが、時々ツーンと鼻にくる大根おろしのような辛みが強いものもあります(栽培方法によるらしい…)。
辛み成分は殺菌や抗酸化作用のある成分なのですが、食べやすくするには、
・すりおろして30分以上置く
・多めの油で和える
・長く加熱する
このようながあります。フランスでは、塩とバターを少しつけ、丸のままかぶりつく食べ方がされているのだとか。多めの油で食べる1つの方法として試してみるのもいいかもしれませんね。
葉には辛みが含まれず、生食もできるので、ぜひ根といっしょに食べてくださいね!