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新NISAで投資を始める前に知っておいた方がいいこと

2023/12/15

2024年1月から新NISAがスタートします。すでに現行のNISA口座で投資を始めている人もいらっしゃることと思います。現行NISAを利用している人は、新NISA口座が自動的に設定されますが、現行NISAで保有している投資商品が新NISA口座にそのまま移行するわけではないので要注意。

さて、まだ投資をやったことがない人でも、新NISAスタートを機にやってみようかな…と思っている人が多いのでは?

でも、世の中の動きにつられて、なんとなく投資を始めると「えっ!?こんなはずじゃなかった」なんてことも。

全国の主婦を取材して、お金に関する記事を数多く手がける村越克子さんが「新NISAで投資を始める前に知っておいた方がいいこと」について解説します。

『サンキュ!』を中心に雑誌・ムック・webなどで全国の主婦を取材し、家計のやりくりなどお金に関する記事を数多...

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「お金が貯まらない」から投資するのは、待った!

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まずはわが家の預貯金残高をチェック。ボーナスが入金されて増えたかと思ったら、月々の家計の赤字を補てんするためにお金を下ろして残高が減る…というのを繰り返している家計は、投資を始めるのはちょっと待った方がいいかも。投資以前に、まずは月々の家計を整えて、赤字を解消しましょう。

預貯金残高が増えたり、減ったりで思うように貯まらないと「貯金じゃ、いつまでも経っても貯まらない。投資の方が、お金が貯まるスピードが早くなる」と思うかもしれませんが、それはNG。

というのは、短期間でお金が増える可能性のある投資は、短期間でお金が減る危険性があるからです。貯金できいなことに焦って、投資に手を出すのはやめておいた方が無難です。

毎月、決まった金額を貯められない人は、待った!

投資初心者さんがNISAを使って投資を始めるなら、「投資信託」という金融商品を毎月決まった金額分ずつを積立てで買う投資スタイルが向いています。預貯金でいうところの「積立定期預金」のようなもので、現行NISAでは「つみたてNISA」、新NISAでは「つみたて投資枠」を利用して投資する方法です。

これまで、毎月決まった金額を貯められなかった人が、毎月積立てで投資するのはちょっとむずかしいかも。まずは、毎月、決まった金額を先取り貯蓄や残し貯めができる家計にしてから。

5年以内に使うお金を投資で捻出するのは、待った!

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「投資は怖い」と思う理由のひとつが元本割れ。預貯金なら利息がほとんどつかなくても、元本は保証されます。でも、投資に元本保証はありません。

投資信託を毎月決まった金額分ずつ積立てで買う「積立投資」の場合、長期間続けることで結果的に元本割れするリスクが低くなる傾向があります。

金融庁の資料によると、積立投資を始めて5年以内だと元本割れが発生することがありますが、その一方で運用成果(年率)が8%~14%という高成果の場合もあります。

積立投資期間が20年になると、元本割れの発生はなくなりますが、運用成果は4%~6%がボリュームゾーンになり、8%~14%という高成果は出現しなくなります(※)。つまり、長期間、積立投資することで、運用成果のバラつきがならされるということです。

たとえば、子どもの大学進学を5年以内に控えている場合、投資で進学資金を準備しようとすると、運用がうまくいけば、予定していた金額以上になることがあるかもしれませんが、必要な時期に値下がりしていて、投資した金額より下回る場合もあるということ。大学の受験料や入学金は支払いを待ってくれません。

5年以内に必ず必要になるお金を投資で準備するのは、見直した方がいいかも。

※『つみたてNISA早わかりガイドブック』金融庁参照
※1985年から2020年の各年に、毎月同額ずつ国内外の株式・債券の買付けを行ったものです。各年の買付け後、保有期間が経過した時点での時価をもとに運用結果及び年率を算出しています。これは過去の実績をもとにした算出結果であり、将来の投資成果を予測・保証するものではありません。運用管理費用は含みません。
日本株式:東証株価指数(配当込み)、先進国株式:MSCIコクサイ・インデックス(円換算ベース)
日本債券:NOMURA-BPI総合、先進国債券:FTSE世界国債インデックス(除く日本、円ベース)

まとめ

2024年1月から新NISAがスタートします。投資を始めるいい機会ですが、「みんながやっているから」という理由だけで始めるのは、ちょっと待った。投資を始める前の心構えを自分なりに持ってから一歩を踏み出すことが大事です。

■執筆/村越克子さん
『サンキュ!』を中心に雑誌・ムック・webなどで全国の主婦を取材し、家計のやりくりなどお金に関する記事を数多く手がける。『貯められない人の家計管理』(朝日新聞出版)の編集・執筆など。FP1級技能士。

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