残った食べ物をゴミ箱に捨てる

毎月4,000円分の食品を捨てている!? 「食品ロス」を減らすために知っておきたい3つの言葉【お金の専門家が解説】

2024/02/19

食品ロスとは、本来食べられるにも関わらず捨てられてしまった食べ物のこと。じつは、月に4,000円以上の食品が家庭でロスされているという試算もあります。節約アドバイザーの丸山晴美さんに、家庭の食品ロスの現状を教えてもらいました。

なお、今回ご紹介する情報はすべて2024年2月時点の取材情報を基にしています。

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...

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4人家族では年5万2,000円以上の食品を捨てている!?

食費の節約をがんばっている家庭は多いと思いますが、じつは家庭での食品ロスが、けっこう大きな食費のロスを生み出しているのを知っていますか?

下は、2021年に日本で発生した食品ロスの量です。一般の家庭から出た食品ロスは244万トンで、スーパーやコンビニ、飲食店などの事業者から出た食品ロス約279万トンとほぼ同じです(※1)。それぐらい大量の食品が家庭でも捨てられているということです。

2021年の日本の食品ロスの量

環境省が数年前に制作した「食品ロスを減らすために、私たちにできること」というパンフレットには、「家庭から発生する食品ロスの量は約280万トンで、4人家族の1世帯は毎年約6万円相当の食品を捨てている、と見積もられています」と書かれています(※2)。

上記の数字に、2021年の家庭での食品ロス・244万トンを当てはめて計算してみると、4人家族の1世帯で年に5万2,000円以上、月に4,000円以上の食品を捨てていることになります。

食費の月4,000円は大きいですよね。食費節約に限界を感じている人は、食品ロスに目を向けてみるのも効果がありそうです。そこで、食品ロスの詳しい内容を知っておきましょう。

食品ロスのほとんどが「食べ残し」か「消費期限切れによる廃棄」

家庭の食品ロスの内容は、上のグラフのとおり「食べ残し」が105万トン、「直接廃棄」も105万トンで、「過剰除去」が残り34万トンです。

食べ残し:食べ切れなかったり腐らせたりして捨てていませんか?

「食べ残し」はその名のとおり、つくったけれど食べ切れず捨てることになった食べ物です。これが105万トン、家庭の食品ロスの43%を占めるとは驚きですよね。

袋を開けたけれど食べ切れなかったお菓子や、味が気に入らなくて捨てた惣菜などもこれに含まれます。
また、余った料理を冷蔵庫に入れたまま忘れ、傷んでしまって捨てるのも食べ残しの1つ。

捨てるほど大量につくらない、期限が近いものから使い切る、そして作ったらきちんと食べ切るなど、基本的なことに気をつけるだけで、食費がずいぶん節約できるのではないでしょうか。

直接廃棄:消費期限切れになっていませんか?

特売で安くなっていたため大量に買い込み、結局食べ切れずに消費期限切れになったという経験、誰にでも1度や2度はあるのではないでしょうか。このように、消費期限切れになって捨てたケースが「直接廃棄」です。

ほかにも、人からもらったものの好みでなかったり、調理方法がよくわからない食材だったりして、気づいたら消費期限切れになっていたということもよくあります。

手に入った食材は消費期限を確認し、それまでに使い切る工夫をすることが大切です。もし、むずかしい場合は使ってもらえそうな知人や友人、親戚などに声をかけてみるのもいいでしょう。

過剰除去:大根の葉や長ネギの青い部分を捨てていませんか?

厚くむきすぎた野菜の皮や大根の葉、長ネギの青い部分など、うまく活用すれば料理にできるのに除去して捨てているものが「過剰除去」です。

野菜や果物の皮は、実よりも栄養が豊富な場合がよくあります。野菜の皮は捨てずに炒めてきんぴらにしたり、スープストックをつくったりしておいしくいただきましょう。

オレンジの皮はよく洗ってマーマレードジャムにするなど、アレンジしてみましょう。食費が節約できるだけでなく、副菜が1品増えて食卓が豊かになります。

このように、食品ロスはちょっと気をつけるだけで少なくできるもの。ぜひ、家計のためにも家庭の食品ロス削減にトライしてみてはいかがでしょう。

教えてくれたのは・・・

丸山晴美さん

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て2001年、節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザーなどの資格を取得。身の回りの節約術やライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどを、テレビやラジオ、雑誌、講演などで行なっている。著書は「シングルママの『お金に困らない』本」(徳間書店)、「50代から知っておきたい!年金生活の不安、解消します」(共著)(幻冬舎)、「お金を活かす ハッピーエンディングノート」(東京新聞)「節約家計ノート2024」(東京新聞)steady.特別編集「知識ゼロでもまるっとわかるお金の基本」(宝島社)など多数。

取材・文/かきの木のりみ

 
 

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