20代30代に「投資」を始める人が急増。40代も知っておくべきその理由とは?お金の専門家が解説
2021/09/04
今、20代30代に「投資」をする人が増えているのをご存じですか?なかでも「投資信託の積立投資」に人気が集まっています。なぜ若い人が「投資」に注目しているのか、「投資信託の積立投資」とはどういうものなのか、節約アドバイザーの丸山晴美さんに聞きました。
なお、今回ご紹介する情報はすべて2021年8月時点の取材情報を元にしています。
監修: 節約アドバイザー 丸山晴美
22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...
みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。
お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。でも経済に関するお金の情報は、ちょっとむずかしいですよね。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「若者と投資の関係」!
今、20代30代に「投資信託」を持っている人が急増中!?
投資信託協会が2021年春に公表した「投資信託に関するアンケート調査報告書-2020年(令和2年)」によると、全国の20~79歳男女(総計2万サンプル)の中で、「投資信託」を保有している人は23.4%。20代は20.1%と前年の14.9%から5.2ポイント増加し、全年代の中で最も大きい伸び率となっています。次に増えているのが30代で、前年から3.4ポイント増加しています。
さらに、「投資信託」を保有している人の53.0%が積立投資をしていて、下記グラフの通り、若い人ほどその利用率が高くなっています。
「投資信託」とは、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用し、それによって生まれた利益を購入者に還元する金融商品。それを毎月、定額を積み立てて購入するのが「投資信託の積立投資」です。
投資・運用は市場環境などによって価値が変動します。利益が得られることもあれば、運用がうまくいかずに損をすることもあります。そうしたものになぜ今、若い人たちが注目しているのでしょう。
若者ほど「銀行の預貯金だけでは危ない」という危機感が大きい
今の20代、30代は、好景気というものをほとんど体験していません。銀行も長く低金利が続いていて、預けていても増えないことを実感しているでしょう。
さらに、数年前に話題となった「老後2000万円問題(老後20~30年間で約1300万円~2000万円が不足する)」や、年金の支給時期の引き上げなどのニュースから、将来への不安も強く感じているはず。その意味では、お金や生活に関して最も危機感を持っている年代と言えるかもしれません。
そんな彼らが、今からできる対策として目を向けたものの1つが「投資」なのです。「銀行の預貯金だけでは危ない」ということを肌で感じ、ならば「投資」と考えた時、まずは身近な「iDeCo(イデコ)」や「NISA(ニーサ)」、さらには「投資信託の積立投資」へと目が向いたのだと思われます。
比較的新しい商品である「投資信託の積立投資」を始めたあたりは、情報に敏感な若い人らしいと言えるでしょう。
では、なぜ「投資信託の積立投資」なのでしょうか?
月数百円から手間をかけずに長期にできるのが「投資信託の積立投資」
個人が上手に投資を行う基本は「長期」「積立」「分散」の3つだと言われています。
「投資信託の積立投資」はその名の通り積み立てて行うものです。100円単位の少額から積み立てられるので、資金がない人でも負担が少なく、「長期」に続けることが可能です。
「投資信託」は小口のお金を集めてひとつの大きな資金として運用するので、さまざまな資産に「分散」投資し、リスクを軽減することが可能です。毎月積み立てることで、買うタイミングによるリスクも「分散」できるメリットもあります。
つまり、「投資信託の積立投資」は、投資に詳しくない人が将来の資金を考えながら長期で運用するには、向いているサービスなのです。
さらに、投資は「長期」で投資をするほど「複利」(利益などを次の投資にも組み入れて運用し、どんどん元本を増やす運用方法)の効果が大きくなり、資産が増えやすくなります。老後まで長い時間がある若い人ほど有利と言えるのです。
ただし、長期で投資をする際は、手数料にも注意しましょう。投資運用には、取引手数料や口座管理手数料、投資信託の場合は信託報酬や管理費用など、さまざまな手数料がかかります。たとえ少額から投資しても、これら手数料がかさむと利益が出にくくなります。投資信託を選ぶ際は、どのような金融商品に投資をするのかなどが書かれている目論見書を見ることも大切ですが、それら運用にかかる手数料にも注目することをおすすめします。
40代でも老後までにはまだ30年近くあります。「投資信託の積立投資」を始めるのに遅いということは全然ありません。預貯金だけで頑張っているけど不安という人は、「投資信託の積立投資」という選択も視野に入れてみるのもおすすめです。
取材・文/かきの木のりみ