空の市場バスケットを持つ女性の手

値上げラッシュはいつまで続く?お金の専門家が今後の見通しと、今やるべきことを解説

2022/04/26

2022年の初めからさまざまな商品の値上げが続いていて、悲鳴を上げている人も多いのではないでしょうか。いったい今、どんなものが値上がりしていて、今後はどうなるのか?そして私たちは何をしたらいいのか?節約アドバイザーの丸山晴美さんに聞きました。

なお、今回ご紹介する情報はすべて2022年4月時点の取材情報を基にしています。

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...

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みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。

お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。でも経済に関するお金の情報は、ちょっとむずかしいですよね。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「どうなる?値上げ」!

なんと64社以上が2022年上半期に商品を値上げ!

以下に紹介するのは、2022年1月~3月までに値上げされた商品の「ほんの一部」です。

【2022年1~3月に値上げされた商品】
山崎製パン/食パン・菓子パン
日清製粉ウェルナ/小麦粉
カルビー/スナック菓子、ポテトチップス
日本ハム/ハム・ソーセージ、加工食品
マルハニチロ/冷凍食品
キッコーマン/醤油・豆乳
大王製紙/ティッシュペーパーやトイレットペーパー、キッチンペーパーなど

帝国データバンクが2022年4月8日に発表した「企業の今後1年の値上げに関する動向アンケート」の結果によると、主要な製品・商品や商材、サービスの分野で、32.7%の企業が「2021年10月~2022年3月の間にすでに値上げした」と回答しています(※1)。

画像出典:帝国データバンク「企業の今後1年の値上げに関する動向アンケート」

「2022年4月に値上げした/する予定」と回答した企業も25.7%。5月に値上げを行う予定の企業が11.1%、6月は7.6%と、今後も値上げは続く見通しです。

今後1年以内で値上げを行う企業を見ると、「飲食料品・飼料製造」が73.1%と突出して多く、2022年7月~9月にも2割超の企業が値上げを予定しています。

値上げの原因は複合的で下半期もさらに続く!?

値上げの理由はいくつかありますが、コロナ禍による運送費の高騰や、原油価格の上昇などが主なもの。さらに2月から始まったロシアの軍事侵攻が追い打ちをかけました。

ロシアとウクライナは世界的な小麦の産地です。日本は主にアメリカ、カナダ、オーストラリアなどから小麦粉を輸入していますが、ヨーロッパの国々はウクライナやロシアから輸入しています。そこに北米の小麦粉不作が加わって、世界的な小麦粉不足に。その影響で日本でも小麦粉が値上がりしています。

小麦粉が上がっているため、パン類や麺類など、多くの製品も値上がりを続けています。3月に農林水産省が、国が輸入した小麦を製粉会社に売り渡す主要5銘柄の2022年9~の平均価格を、前期比17.3%引き上げると発表しており、小麦粉は秋にもさらなる値上げが予想されています。

また、紙やおむつ、照明器具など生活必需品も値上がり始めています。ナショナルブランドと言われる大手メーカーが値上げを発表しているので、今後、中小メーカーの後追い値上げもあるでしょう。

これらを総合的に考えると、今後しばらくは値上がりが続くと覚悟しておいたほうがよさそうです。

節約は必要だけど、いざというときの備えはケチらずに

最も値上がりが多いジャンルは食品類なので、今後は特に食費の工夫を考えることが、家計防衛のポイントになるでしょう。
また、価格が上がると、トイレットペーパーなどの生活必需品も買い控える人がいます。でも万一、そういうときに大きな地震が起こってしまったら……。

コロナ禍の中で、マスク不足やトイレットペーパーやティッシュなどの紙製品の買い占め問題などが起こったように、災害時は何があるかわかりません。これから雨の季節になるので、災害が懸念されています。

買い込みすぎはよくありませんが、ティッシュや水などの生活必需品は、いざというときのために十分な備蓄を用意することも大切です。家の在庫チェックをし、ネットのセールなどでできるだけ安く購入するなど工夫しながら、生活を守っていきましょう。

教えてくれたのは・・・

丸山晴美さん

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て2001年、節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザーなどの資格を取得。身の回りの節約術やライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどを、テレビやラジオ、雑誌、講演などで行なっている。著書は「シングルママの『お金に困らない』本」(徳間書店)、「50代から知っておきたい!年金生活の不安、解消します」(共著)(幻冬舎)など多数。

取材・文/かきの木のりみ

 
 

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