「貯まる家計」になるために夫婦で話し合うべきこと
2022/05/10
「私ばっかりがんばって、夫はぜんぜん協力してくれない」「夫にお金の話をしても通じないから張り合いがない」と不満を感じている妻は少なくありません。
「貯まる家計」になるためには、夫婦の団結がマスト。家計のやりくりを妻の“孤独な作業”にしないためにも、夫婦でお金の話をするのがオススメです。
「貯まる家計」になるために夫婦で話し合うべきことについて、全国の主婦を取材してお金に関する記事を数多く手がける村越克子さんが解説します。
- 1.「毎月いくらお金が入ってきて、いくら出て行くか?」について
- 2.「ここ半年間で貯金できた金額」について
- 3.「わが家の現在の総貯蓄額」について
- 4.「スマホ代、保険、サブスク代、習いごと代はどうなっているか?」について
1.「毎月いくらお金が入ってきて、いくら出て行くか?」について
「夫婦で話し合う」前提として、話し合うための資料を作成することが大事。なんの資料もなければ、「話し合い」ではなく、ただの「おしゃべり」になってしまいます。特に、働いている人であれば、仕事の会議やプレゼンで資料を提示ししながら検討するという方法に慣れているので、話し合いの前に資料を用意するのが賢明です。
「資料」といっても、そんな小難しいものではなく、要は1カ月の収支がわかればOK。家計簿をつけている場合なら、簡単にわかります。つけていない場合は、1カ月でいいので、入ってくるお金=収入と、出て行くお金=支出を記録しましょう。
「貯まる家計」の第一歩は、わが家の1カ月の収支を把握することにあります。
2.「ここ半年間で貯金できた金額」について
収支がわかったら、次は、わが家の家計は貯金できているのか、できていないのかを確認。調べ方としては、家計簿をつけていればすぐにわかりますが、つけていない場合は、給料が振り込まれる通帳の残高で確認を。預貯金ではなく、つみたてNISAやiDeCoなどで貯めている人は積立金や掛金で確認しましょう。
半年前の残高と比較して残高が増えているのか?減っているのか?増えている場合は“黒字家計”ということなので、この先の見通しは明るいです。一方、減っている場合は、“赤字家計”ということなので、見直しが必要。
3.「わが家の現在の総貯蓄額」について
これについても、預金通帳、つみたてNISAやiDeCoの口座残高をチェック。通帳が何冊もある場合は、全部出して残高を調べましょう。
〇〇銀行普通預金:●●万円、△△銀行定期預金:●●●万円と紙に書き出すとわかりやすいです。
今、自分たちが持っているお金の総額を知ることは、金額が多くても、少なくても、貯めることのモチベーションになるはずです。思っていたよりも多ければ、もちろんうれしいですし、「もっと貯めたい」「減らしたくない」という意識が働きます。
一方、思っていたよりも少なければ危機感につながります。ここで大事なことは「どうせうちはたまらないのよ」とか「やっぱり貯金なんかできない」などネガティブワードを口にしないこと。貯金が少ないとがっかりしますが、貯金0円から「貯まる家計」に変貌したケースはいくらでもあります。
4.「スマホ代、保険、サブスク代、習いごと代はどうなっているか?」について
いわゆる「固定費」と言われている支出を見直しましょう。ネットで何かを調べるのが得意な夫なら、お任せするのも手。たとえば、今よりスマホ代やプロバイダー料金などを含めた通信費を安くする方法などを調べてもらいましょう。
サブスク代は、今、契約しているものをリストアップして、残すものと解約するものを仕分けします。残すものについては、料金の分の元が取れているかの確認を。
5.「何にお金を使いたいか?」について
「貯まる家計」になるために、夫婦で話し合うべきことで、いちばん大事なのがコレ。なんのために貯めるのか?貯めたお金を何に使うのか?がはっきりしていないと、貯める必要性を感じないし、モチベーションもわいてきません。
あるご夫婦は、お金を使いたいことを、夫婦それぞれが思いつくままにふせんに書いて、優先順位の順に並べてみました。すると、夫婦そろって、お金を使いたいことの第1位が「子どものこと」に。お金を使いたいことが夫婦で一致しているこを改めて確認でき、貯める目標と意欲がますます明確になりました。
まとめ
家計のやりくりは妻がひとりでがんばるよりも、夫婦で協力したほうが貯まるスピードが加速します。「お金がない」とボヤくよりも、夫が家計に関心をもつように仕掛けてみましょう。まずは、わが家の家計の現状について夫婦で話し合うことが大事です。
■執筆/村越克子さん
『サンキュ!』を中心に雑誌・ムック・webなどで全国の主婦を取材し、家計のやりくりなどお金に関する記事を数多く手がける。『貯められない人の家計管理』(朝日新聞出版)の編集・執筆など。