「玉ねぎの皮」ってこんなに有能!あなたも今日から使いたくなる、上手な活用法とは?
2024/07/25
一般的には生ごみとして捨てられてしまうことの多いヘタや皮などの野菜くず。これらを水でコトコトに出すことで、コンソメスープに近い色やうま味を含んだベジブロスが取れることは知っている人も多いのでは?
さまざまな野菜が利用できるベジブロスですが、「玉ねぎの皮」だけでもぜひやってほしい理由があるのです。
それは、玉ねぎの皮に健康効果が高い成分がとても多く含まれているから。
今回は管理栄養士のゆかりさんに「玉ねぎの皮」の上手な活用法を教えてもらいました
よりおいしく飲んだり、料理に取り入れる方法についても触れていますので、参考にしてみてくださいね!
「玉ねぎの皮」のすごさとは?
玉ねぎの皮には、ポリフェノールの一種で、色のもとになる「ケルセチン」という成分が含まれています。
それ自体は玉ねぎの中身にも含まれていますが、皮はその30倍も多いのです。
抗酸化作用によって体の老化を抑えるだけでなく、コレステロールや血糖値などを調整して生活習慣病の予防、アレルギーを抑えたり、免疫反応を調節するといった働きもあるといわれています。抗酸化作用を利用して、日焼け止めの成分として使われることも。
玉ねぎの皮というと、噛み切りにくく、土が付いていたり、食用に適さないイメージがありますが、洗って煮出すことで「ケルセチン」を利用することができるのです。
これは、水に溶けやすく熱に強いという性質が関係していて、日々の食生活に取り入れることで健康増進に大きく役立てることができます。
「玉ねぎの皮」の活用方法は?
用意するもの
・玉ねぎの皮
・水
煮出し方
1. 皮をむいて食べる部分を除きます(切り落とす頭頂部や根っこも含めてOK)
2. 水で手早く洗って水気を切り、ザルに広げて日の当たるところに置く。
3. 1日以上経ったら鍋に移し、全体がかぶるほどの水を注ぎ入れる。
4. ブクブクと泡が出ない程度の弱火で、5分以上加熱する。
5. ザルでこし取る。
日に当てることでケルセチンが増えることがわかっています。1週間当てると3.5倍に増加したというデータもあります。長く置くのであればほこりなどがかからないように注意し、すぐに使いたい場合は日に当てる工程を省いてもいいでしょう。(すでに、玉ねぎの中身よりも皮には30倍含まれているため)
注意点もチェック!
今回、20分ほど弱火で煮出し、5分刻みで色の変化を観察してみました。
すると、時間をかけるほど煮汁が濃くなり、ケルセチンが多く含まれていることが期待できました。
しかし、そのまま飲んでみると、色が濃いほど苦味も強く感じるという結果に……。
大人でも我慢しないと飲めないくらいの味だったので、お子さんや味に敏感な人であれば飲みたがらない可能性が考えられます。
そこで、筆者宅にあった次のような食材を加え、飲みやすくなるか試してみることに。
甘味……みりん、メープルシロップ
うま味……ツナ缶の汁、塩麹、粉チーズ
その他……豆乳
甘味やうま味は少し苦味を和らげたように感じましたが、後味は変わらず。
それに対し、豆乳を適量(100mlの煮出し汁に対し、50ml弱)加えると、苦みを抑えてゴクゴクと飲む干すことができました。
おいしく取り入れたいのであれば、かぶるほどといわず水をたっぷり注いだり、煮だし時間を短くしたり、実験のように豆乳などの風味やコクのあるものを加えて濃度を薄めてあげるのがおすすめといえます。
また、スープやご飯を炊くときに水の一部と置き換えて使うという方法も◎。
体に良いとはいえ、おいしく取り入れなければ長続きしにくいので、こういった方法で健康効果をたっぷりと取り入れてみてはいかがでしょうか?
■執筆/ゆかり…保育園調理、セミナー講師、出張料理、料理教室、食育サイトの記事執筆など幅広く活躍中の管理栄養士で食生活アドバイザー。1児の母。
編集/サンキュ!編集部
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