入子京都中央市場/ 京都

【管理栄養士監修】「にぼし」の主な栄養素とカロリーまとめ!ダイエットに効果がある?

2021/02/03

にぼしは出汁をとるためによく使われますが、体にうれしい栄養成分が豊富に含まれていることをご存知でしょうか。この記事では、にぼしの栄養と効能、まるごと食べられるおすすめのレシピを紹介します。出汁をとるだけでないにぼしの食べ方を知りたいかたは、ぜひ読んでみてください。

管理栄養士、食生活アドバイザー。一女のママで出張料理、料理教室、講演、栄養相談も手掛けるほか、ライターとして...

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にぼしの種類

干しアンチョビ、昆布、椎茸
artran/gettyimages

出汁をとるのによく使われるにぼしは、魚を煮て乾燥させたものです。にぼしにはカタクチイワシの稚魚が使われることが多く、そのほかにも、まいわし、うるめいわし、いかなご、あじ、れんこ鯛などもにぼしに加工されます。

にぼしの種類によって、出汁にしたり、そのまま食べるのに適していたり、削り節の原料になったりと、使われ方に違いがあります。

にぼしのカロリーと栄養素

日本食の調味料と料理として使用される乾燥イワシのクローズ アップ。日本の健康的なスナック食品。煮干しや入子魚。
Shootdiem/gettyimages

カタクチイワシのにぼしのカロリーは、100gあたり332kcalで、たんぱく質の含有量が多いのが特徴です。ほかにも、カリウム1,200mg、カルシウム2,200mg、鉄18.0mg、脂質6.2g、ビタミンD18.0μgが含まれます。

にぼしは、乾燥によって水分が少ないので軽く、小さめのにぼしは1尾1gにも満たないほどです。100gというとかなりの量で、粉末にしたものであれば、大さじ1杯強で15gが目安です。

にぼしの栄養素
・カリウム
・カルシウム
・鉄
・脂質
・ビタミンD

にぼしの栄養素1:カリウム

カリウムは、体液の浸透圧や酸と塩基のバランスを維持するなど、体内で重要な働きをする栄養素です。

カリウムには、ナトリウムの排泄を促して血圧を下げる作用があり、脳卒中のリスクを減らすことが期待できます。塩分の多い食事を好んで食べる人は、カリウムを多く摂取することが望ましいでしょう。

にぼしの栄養素2:カルシウム

カルシウムは骨や歯を構成する主な栄養素です。

不足すると発育障害や骨粗しょう症の原因となるため、とくに、発育期の子どもや妊娠中・授乳期の女性、高齢者は積極的に摂取したほうがよいと言われている栄養素でもあります。

骨に適度な負荷がかかることで、骨をつくる細胞が活発になって強い骨がつくられる性質があるため、カルシウムをとると同時に適度な運動を取り入れることも大切です。

にぼしの栄養素3:鉄

鉄はヘモグロビンの材料となり、ヘモグロビンは体内に酸素を運ぶ働きをしています。鉄の欠乏は貧血の原因になり、運動機能や認知機能が低下することがあります。

月経、妊娠、授乳の有無に応じて、男性よりも女性の方が必要量が多くなるため、とくに女性は鉄分を積極的にとることが理想的だと言われています。

にぼしの栄養素4:脂質

脂質には不飽和脂肪酸の割合が高く、そのなかには青魚を中心に多いDHAやEPAが含まれています。DHAやEPAには、中性脂肪やコレステロールを下げたり、血栓ができるのを防いで血液の流れを改善する効果が期待できます。

また、脂溶性ビタミンであるビタミンA・D・E・Kは、脂質といっしょになることで吸収が促進されます。

にぼしの栄養素5:ビタミンD

ビタミンDはカルシウムの吸収を助けて骨や歯を丈夫にし、免疫力を高めるなどの働きがあります。

血液や筋肉中に存在しているカルシウムは、筋肉の収縮や、神経伝達に関わる働きをしており、ビタミンDはその血液や筋肉中のカルシウム濃度を調節してくれる重要な役割をしています。

にぼしはダイエットに効果がある?

日本食の調味料と料理として使用される乾燥した幼児マイワシのクローズ アップ。日本の健康的なスナック食品。煮干しや入子魚をクローズ アップ。
Shootdiem/gettyimages

にぼしはタンパク質が多いだけでなく、ミネラルやビタミンも豊富なため、ダイエット中のおやつにおすすめの食品と言えます。硬く噛みごたえがあることで、少量でも満腹感を得られます。また、炭水化物がほとんど含まれていないのもポイントです。

にぼしには、筋肉をつくるたんぱく質やダイエット中に不足しやすいカルシウムや鉄などが豊富に含まれているため、ダイエットに役立つでしょう。

にぼしを使ったおすすめのレシピ

栄養豊富なにぼしは、丸ごと食べるのが理想的です。出汁をとるのに使った後、栄養が残っている出汁がらを捨ててしまうのはもったいないでしょう。出汁がらも佃煮などにすればおいしくいただけます。

にぼし100gには2,200mgのカルシウムが含まれていますが、にぼしでとった100gの出汁に含まれるカルシウムは、たったの3mgです。

ここで、にぼしの栄養を余すところなく摂取できる、おすすめのレシピを3つ紹介します。

にぼしのおすすめレシピ1:冬野菜の五目炊き込みごはん

出典:白ごはん.com

にぼしで出汁をとり、出汁がらのにぼしも具としていただく、旨みが溢れる炊き込みごはんです。前の日から、にぼしを水に入れて出汁をとっておくと、上品なだしを取ることができます。

ごぼうやにんじんといった、冬が旬の根菜をたっぷり入れてつくることで、見た目も食感も楽しめます。鍋で炊いてもおいしくできあがります。冬にぜひ試して欲しいレシピです。

にぼしのおすすめレシピ2:水菜と油揚げの煮物

出典:E・レシピ

にぼしが香る、旨味の濃いやさしい味わいの煮物です。

煮物といっても、時間をかけて煮込む必要はありません。15分ほどでさっと簡単につくれる、おすすめのレシピです。器に盛りつけ、最後に一味唐辛子をふれば完成です。鮮やかな水菜の緑色が加わることで、食卓を彩ってくれる1品になります。

にぼしをおいしく食べよう!

にぼしのカロリーや、含まれる栄養成分とその効能について紹介しました。保存がきき、そのまま食べてもおいしいにぼしは、手軽に栄養補給ができて便利な食品です。冷蔵庫や冷凍庫で適切に保存すれば、数カ月持たせることもでき、家に常備しておくのがおすすめです。

紹介したレシピもぜひ参考に、毎日の食生活ににぼしを取り入れて健康に過ごしましょう。

監修者ミニコラム:煮干しは鮮度が命?質のよい煮干しの見分け方

煮干しには、旨味成分であるイノシン酸という成分が含まれています。イノシン酸は、原料の生魚にも含まれていますが、水揚げ後は酵素の働きで時間とともに分解されて減少してしまいます。

そのため、漁獲した魚を一度煮ることで、イノシン酸の分解を促す酵素の働きを止める必要があるのです。さらに、それを干すことによって成分が凝縮し、イノシン酸とともに栄養価も高くなった煮干しが完成します。

・背骨が盛り上がり、腹が割れていない
・傷がない
・黄や赤茶色に変色していない

これらは、原料が新鮮なうちに加工されたか、製造方法や流通過程が適切に管理されていたかの目安になります。旨味が多く、臭みが少ない煮干しを選んでくださいね!

※参考にしたサイト

 
 

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