日本食、白米に漬け込み

食費節約で陥りやすい失敗とは?節約のプロが見た「やってはいけない食費節約術」3

2024/02/05

肉に油に粉物……さまざまな食材の値段が相次いで値上がりしている今、食費をさらに節約しようとがんばる人が増えています。

しかし、「一生懸命になるあまり、間違った節約をしてしまう場合が少なくありません」と節約アドバイザーの丸山晴美さんは指摘します。丸山さんが多くの家庭の家計診断をしてきた中でとくに多かった「いけない食費節約パターン」を聞きました。

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...

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みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。

お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「いけない食費節約術」!

節約しているのは「お金」?それとも「栄養」?

家計に占める食費の割合は大きいもの。それを安く抑えることができれば家計に余裕が生まれます。ただ、食費節約を頑張るあまり、間違った方向に行ってしまうことも少なくありません。

私がこれまで家計診断をしてきた中で見た、頑張っている家庭にありがちな「いけない食費節約パターン」の代表3つをご紹介します。

いけない食費節約パターン1:決定的に食事の量が少ない

食費をすごく安く抑えている家庭に多かったのが、「食事の量そのものが少ない」パターンです。たとえば小・中学生の子どもがいる家族4人でお米の消費量が月に10kg以下で、野菜や肉などほかの食材の消費量も少ないといった具合です。

家計診断をしたある家庭では、料理をつくる妻がもともと少食で、その基準でつくっているため自然と少量になったのですが、夫は当然足らず、帰宅前にコンビニなどで買い食いをしていました。

これでは、本当に食費が節約できているとは言えません。育ち盛りのお子さんがいる場合は栄養不足も心配ですし、そもそもお腹が常に満たされないのでは生活の質そのものが落ちます。家族のお腹をきちんと満たせない食費節約はNGです。

いけない食費節約パターン2:使う食材が極端に偏っている

食費節約をがんばっている家庭には、ふだんの食材が極端に偏っている家庭も多く見られます。

たとえば「炭水化物主義」。朝食は菓子パンや惣菜パンで、昼はフランスパンを添えたパスタ、夜はごはん大盛りの丼ものなど、食事のメインがパンや米、麺類というパターンです。

ほかに、安売り店などで冷凍食品をたくさん買い込み、おかずは3食ともほぼそれという「冷凍食品主義」も。とくに食べ盛りの子どもがいると、鶏の唐揚げやとんかつなど、揚げるだけの業務用冷凍食品を多用しがち。いつも食卓が茶色っぽく、野菜が極端に少ないのが特徴です。

炭水化物や冷凍食品、揚げ物を多く用いれば、たしかに食費は安く上がりますし、お腹もいっぱいになります。しかし、炭水化物は糖質が、揚げ物は脂質が多く、どちらもとりすぎると体によくありません。栄養のバランスも偏ります。

多少食費を増やしても、野菜たっぷりの汁物を増やすなど、改善したほうがよい食費節約と言えます。

いけない食費節約パターン3:節約しようとして逆に食費がかさんでしまう

食費節約しようとして結果的にムダ買いが多くなり、逆に食費が高くつくパターンは、料理があまり得意じゃない人にありがちです。

料理が得意じゃない人は、レシピに書かれている野菜や調味料をすべてそろえないとその料理をつくれない場合が少なくありません。レシピに合わせて食材を買いそろえ、次の日にはまた別のレシピの食材を買いそろえ……とやっていくうちに、以前買った食材が腐ったり消費期限が切れたりして捨てることに。

節約のために食材をまとめ買いしても、結局は上手く使いきれずに捨てたり、残った半端食材をとりあえず冷凍庫に入れて眠らせているというのもよくあるケースです。

食材を最後まで使い切れないことが多い人は、レシピサイトやアプリで、食材をキーワードにして検索するのがおすすめ。そうして今ある食材で何がつくれるかを勉強し、食材を使い切るスキルを磨きましょう。

「買い方」と「使い方」の工夫が上手な食費節約の基本

食事は家族の健康を支える重要なものです。節約によってそれが崩れるのでは本末転倒。まずは栄養やバランスを第一に考え、そのうえで節約をするのが「上手な食費節約」です。

上手な食費節約をするには、じつはある程度の料理スキルが必要です。料理スキルが高いほど、食費節約力も上がります。しかし、応用するにはまずは基礎が必要です。基本的な料理スキルを身につけることも忘れないようにしましょう。

また、料理はすぐには上手くなりませんが、食材の買い方や使い方を工夫することはすぐに始められます。たとえば、旬の野菜は味・栄養価ともに高くて値段は手ごろです。つねに旬の野菜を使うようにすれば、それだけでも節約になります。

最近は鶏むね肉も高くなっていますが、豚こま肉はまだ安いので、臨機応援に代用できる食材を見つけて上手く活かすのもポイント。余った食材の使い道が頭に浮かばなかったら、食材をキーワードに検索してレシピを探すなど、今すぐできる工夫はけっこうあります。

そうした工夫を続けることで料理スキルも自然と上がります。

まずはムダな買い物をできるだけ減らし、買った食材は使い切るという基本の姿勢を保つこと。そのうえで、「上手な食費節約」を実践していきましょう。

◆教えてくれたのは・・・

丸山晴美さん

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て2001年、節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザーなどの資格を取得。身の回りの節約術やライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどを、テレビやラジオ、雑誌、講演などで行なっている。著書は「シングルママの『お金に困らない』本」(徳間書店)、「50代から知っておきたい!年金生活の不安、解消します」(共著)(幻冬舎)など多数。

取材・文/かきの木のりみ

 
 

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