今すぐやめるべき「貯め方」とは? 10年後に後悔しないための貯め方を専門家が解説
2023/09/25
物価や税金が上がって物の買い方が変わってきている今、「貯め方も前と同じでは危険!時代の流れに合わせて貯め方を見直すことが必要です」と、節約アドバイザーの丸山晴美さんは言います。今までの貯め方の何が危険なのか、これからはどういう貯め方がおすすめなのかを聞きました!
なお、今回ご紹介する情報はすべて2023年9月時点の取材情報を基にしています。
監修: 節約アドバイザー 丸山晴美
22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...
- 1つの貯め方で将来に備えるのは大きなリスクに!
- 100万円を定期積立に1年預けても利息はたった20円!?
- 「長期・積立・分散」の投資ならリスクは抑えられる
- 2〜3年後に使うお金は預貯金で貯め、それ以外は投資運用に
みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。
お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「貯め方の見直し」!
1つの貯め方で将来に備えるのは大きなリスクに!
ここ1~2年、物価の高騰(インフレ)が注目されていますが、実はここ数十年、社会保険料の負担率も上がり続けているのをご存じですか?
その一方で、日本人の平均年収はここ30年くらいずっと横ばい。支出は増えているのに、収入は上がっていないのが現状です。
そんな時代だからこそ、どう貯めていくのがより良い方法なのか、一度立ち止まってよく考えることが大切です。
なぜなら、インフレ時はお金(現金)の価値がどんどん目減りしてしまうから。事実、100円で買えるものやその量が、数年前より確実に少なくなっています。
インフレはまだしばらく続くと言われているので、お金の価値はさらに下がり続ける可能性が大。10年後に後悔しないためには、今すぐ「貯め方」を見直すことが大切です。
100万円を定期積立に1年預けても利息はたった20円!?
貯め方を見直す上で今必要なのは「分散」です。1つの貯め方だけに頼るのでなく、いろいろな貯め方に資産を分散することです。
多くの人は定期積立などの預貯金に頼っていると思いますが、現在、メガバンクの定期預金利率は100万円預け入れた場合で0.002%前後。100万円を1年間預けても利息はわずか20円ほど(税引き前)です。
ネット銀行の利率は0.2〜0.3%と、メガバンクより100倍以上良いですが、それでも1%には届かず、決して効率が良い貯め方とは言えません。
1990年代半ば以前は金利が1%以上で、1990年12月末の金利は年約6%もありました。こういう時代なら預貯金は大きな支えとなりますが、現在のような超低金利時代は預貯金だけに頼るのはリスクと言えるのです。
「長期・積立・分散」の投資ならリスクは抑えられる
では、どう分散をすれば良いのでしょう。その答えの1つが「資産運用」です。
資産運用というと「元本割れ」のリスクを心配する方が多いですが、資産運用にもリスクが大きいものから小さいものまでいろいろあります。
一度に全財産を1つの銘柄に投資するような、いわゆる「賭け」的な投資はたしかに危険です。でも、長い期間、一定の金額を毎月など決まった間隔で世界のさまざまな資産に分散して運用する「長期・積立・分散」の投資なら、それほど怖いことはないのです。
ただし、預貯金をやめて全て投資するのでは「分散」になりません。貯める目的に合った方法で貯め方を分散し、資産を守っていくことが大切です。
2〜3年後に使うお金は預貯金で貯め、それ以外は投資運用に
では、具体的な分散方法も考えてみましょう。
1〜2年内に使う目的があってお金を貯める場合は、預貯金するのが良いでしょう。なぜなら、一般の人が投資で1〜2年の短期間に大きな利益を出すのは難しく、危険でもあるからです。
近いうちに使う予定のお金は預貯金で確実に貯め、5年以上使う予定のないお金を投資運用で貯めるのがおすすめです。
例え5年以内に使う予定のない預貯金が100万円あるとしましょう。私ならば、50万円を「いざというときに備える特別費」として残し、残りの50万円で積立投資を始めます。そして、その後も毎月貯蓄の何割かを、その積立投資に回します。
特定の目的がなくて毎月5万円を貯金している場合なら、半分の2万5000円を預貯金にして、残りの半分で投資運用を始めるのも良いでしょう。
老後資金を貯めたいなら、iDeCo(イデコ)という良い制度がありますし、2024年からスタートする新NISAを始めるのもおすすめです。
貯め方に資産運用をするのは、金融リテラシーを磨くための勉強にもなるのでぜひおすすめします。
私たちは過去にさかのぼって貯め直すことは絶対できません。人生で今が一番若いのですから、その今に何をするべきか考え、実行することが大切です。
※投資には元本保証はありません。損失のリスクも検討し、自己責任のうえで行ってください。
取材・文/かきの木のりみ