韓国語「アンニョン(アニョン)」の意味、使い方とは?発音や注意点についても解説
2023/09/04
「アンニョンって韓国語でどういう意味?」
「アンニョンの発音は?」
「アンニョンを使った文章にはどんなものがある?」
このように、韓国語「アンニョン」に興味や疑問を持っているかたも多いのではないでしょうか。
韓国ドラマなど見ていると「アンニョン」という言葉が度々出てくると思います。日本人には「アニョン」に聞こえる時もありますが、実際は「アンニョン」です。「アンニョン」は「안녕하세요(アンニョンハセヨ)」の後半を省いたものです。
中国の漢字をルーツに持っている韓国語の「アンニョン」は漢字では安寧(あんねい)。それを韓国語読みするとアンニョンになります。「安寧」は穏やかで平和という意味を持つため、「アンニョンハセヨ」を直訳すると「安寧(穏やかで平和)でいらっしゃいますか?」というあいさつになります。漢字を日常的に使っている日本人にはイメージしやすいかもしれません。
意味を知らなくてもその音だけは聞いたことがある、というかたもいるでしょう。「アンニョン」の意味や使い方、言い回し、熟語、似た意味を持つ言葉、例文など解説していきます。
この記事を読むことで、「アンニョン」という言葉から、韓国語を理解する第一歩になるでしょう。韓国語を覚えていきたいかた、「アンニョン」という言葉を使いこなしたいかたは、ぜひチェックしてみてください。
韓国語「アンニョン」とは
「アンニョン」は友達同士などの親しい間柄であいさつとして使われる単語です。
出会ったときも別れ際でも「アンニョン」と言えばあいさつになるため、人と人とのコミュニケーションで頻繁に用いられる言葉です。
「アンニョン」の意味・使い方
ここでは、「アンニョン」の意味・使い方について見ていきましょう。「アンニョン」には、時間帯によるあいさつと、別れのあいさつ、という2つの使い方があります。
その言語のあいさつを知っておくと、実際にその国の人と交流するときも一声かけやすく便利です。
「おはよう・こんにちは・こんばんは」
時間帯によるあいさつとは、「おはよう」「こんにちは」「こんばんは」などです。日本の場合は、午前中は「おはよう」、お昼時は「こんにちは」、夜になると「こんばんは」と時間によって言葉を使い分けますが、韓国では時間関係なく「アンニョン」と言います。
親しい間柄で使う言葉なので、出会った際によく使う「やあ!」や「よっ!」というニュアンスです。
「バイバイ」
別れのあいさつは「バイバイ」という意味です。友達や恋人など、誰かと会っていて別れるときのあいさつとして「アンニョン」と言うと、「バイバイ」「またね」というニュアンスになります。
「アンニョン」のハングル表記
「アンニョン」は「안녕하세요(アンニョンハセヨ)」の後半を省いたものです。「アンニョン」のハングル表記は、「안(アン)」と 「녕(ニョン)」で構成されています。
「アンニョン」と「アニョン」の違いは?
「アンニョン」の発音はカタカナで「アニョン」と表記されたり、「アンニョン」の大元である「アンニョンハセヨ」も「アニョハセヨ」と表記されることがあります。これは韓国語に関わらず外国語をカタカナで表記する場合によく起きる、聞き取り方や捉え方の違いであるだけで、意味は同じです。
これは日本語と韓国語の大きな違いであり日本人にとっては発音が難しい部分なのですが、この場合の「アン」はあくまでも「アン」で一文字です。日本語のように「ア」と「ン」ではありません。つまり日本人には聞き取りにくいぐらい早くまたは微かに「アン」と言っているため、「アニョン」と聞こえることがあると考えられます。
同様に「ニョン」の場合も「ニョン」で一文字であり、「ニョ」と「ン」ではないのです。
「アンニョン」と言うときは【「ア」「ン」「ニョ」「ン」】ではなく【「アン」「ニョン」】という区切りを意識すると本当の発音に近付けるかもしれません。
「アンニョン」の発音
「アンニョン」を伝えるには、正しい発音で発声することが大切です。
実は韓国語には「ン」の発音が3つあるのですが、カタカナ表記にすると全て「ン」となってしまいます。「アンニョン」の場合も、「アン」の「ン」と「ニョン」の「ン」の発音は異なります。
【「アン」の「ン」の発音】舌を下の歯の裏につける
【「ニョン」の「ン」の発音】口を開けたままにする
日本では区別しない発音なので難しいのですが、このイメージで練習をすると一気に上達すると思います!
「アンニョン」の言い回し・熟語
「アンニョン」を正しく使うには、独特の言い回しや熟語を理解しておくことも重要です。以下の「アンニョン」のフレーズはよく使われるものです。この機会に覚えておきましょう。
「アンニョンハセヨ」
「アンニョンハセヨ」は、年上や目上の人・親しい間柄ではない人などに対して使用する丁寧な言い回しです。ハングル表記では「안녕하세요」と書き、「ハセヨ」の部分は「〜していらっしゃる/〜していらっしゃいますか?」という丁寧語になります。
「アンニョン」は「アンニョンハセヨ」から「ハセヨ」を省略したものになるため、非常にフランクな表現です。友人などの親しい間柄以外では「アンニョンハセヨ」を使うようにしましょう。
「アンニョンイ ガセヨ」
「アンニョンイ ガセヨ」は見送る際に使う丁寧なあいさつのフレーズです。ハングル表記では「안녕히 가세요」になります。
直訳は「安寧に行ってください」となり、家路につく人に対しては「気を付けてお帰りください」、旅立つ人に対しては「気を付けて行ってらっしゃい」というように使えます。
反対に見送られる立場の場合には「アンニョンイ ゲセヨ」と言います。こちらは「元気でいてください」という意味を持ちます。
「アンニョン」を用いる時の注意点
続いては、「アンニョン」を用いる時の注意点について紹介していきます。「アンニョン」を用いる際には、以下のポイントを踏まえておくことが大切です。きちんと内容を理解してから使っていきましょう。
「アンニョン」は非常にくだけた表現である
「アンニョン」は、くだけた表現になるため目上の人には使えないフレーズです。いわゆる「タメ口の表現」です。自分より年上の人を敬う儒教の文化が根付いた韓国では、目上の人・年上の人・あまり親しくない相手に使ってしまうと大変失礼な印象を与えてしまう可能性が高いです。
気の知れた友人や恋人などの親しい間柄で、特別な敬意を表さずコミュニケーションを取れる相手にだけ使用するように気をつけてください。別れのあいさつとして使う場合でもそれは同じです。
「アンニョン」以外のあいさつ表現とは?
最後に、「アンニョン」以外のあいさつ表現について紹介します。韓国語をマスターするには、「アンニョン」以外のあいさつ表現を理解しておくと、表現の幅が広がります。
同じような意味でもさまざまなフレーズを使い分けると、韓国語でのコミュニケーションが一層楽しくなるでしょう。
「オレンマニヤ」
「オレンマニヤ」は、「久しぶり」を伝える表現です。ハングル表記では、「오랜만이야」と書きます。親しい相手などに対して使うカジュアルなフレーズになります。
数カ月、数年ぶりなど、ある程度期間を空けて再会した相手への第一声として「久しぶり」という際に「オレンマニヤ」と使うと良いでしょう。目上の人などに丁寧に「お久しぶりです」と言いたい場合は「오랜만이에요(オレンマニエヨ)」を使いましょう。
「チョウン アチム」
「チョウン アチム」は、「おはよう」を伝える表現です。ハングルでは「좋은 아침」と書き、意味は「良い朝」です。
「チョウン アチム」は起きてすぐや、学校の教室に入っていく時や出社して同僚に会った時などの朝一番のあいさつというイメージです。
「チャル ジャ」
「チャル ジャ」は、直訳すると「良く寝て」という意味で、「おやすみ」という寝る前のあいさつです。ハングル表記では「잘 자」と書きます。丁寧に「おやすみなさい」と伝える場合は「안녕히 주무세요(アンニョンイ ジュムセヨ)」という言い方になります。
「オソオセヨ」
「オソオセヨ」は、「ようこそ」と伝える表現です。ハングル表記では「어서 오세요」と書きます。「オソオセヨ」は、誰かを迎え入れる際に使用するあいさつで、「いらっしゃいませ」という意味でも使用されます。
日本でも韓国料理店に入ると「オソオセヨ」と声を掛けられることがあると思います。直訳すると「さあ来てください」という意味になり、歓迎している気持ちを表します。
韓国語「アンニョン」の意味を正しく理解しよう
韓国語「アンニョン」は、それぞれの時間帯で出会った際のあいさつ、別れ際のあいさつと、さまざまな場面で使えるフレーズであることから、非常に便利な言葉と言えます。
直接会った場合だけでなく、電話や手紙の最初の一言でも使用されるフレーズです。仲のいい韓国の友人がいる場合はぜひ使ってみてください。ただ、「アンニョン」はフランクな言葉ということから、目上の人、年上の人など敬意を払う相手には使わないよう気をつけましょう。
この記事を参考に、「アンニョン」という言葉の意味、使い方を正しく理解して、韓国語習得に生かしてみてください。